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異世界トリップしたので可愛い獣人を全力で愛でることにしました。  作者: 明。
お城暮らしは大変なのです

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異世界の無駄な文化を教えてあげたよ

 おっさんが照れすぎて丸まじろになっているので店長さんと雑談することにした。


「せっかくだから今回みたいな逆ご奉仕とかもいいんじゃないですか?ただ割ったりする危険もあるから、逆ご奉仕の場合食器はランクを落としたり、可愛い衣装を用意するとか」


「可愛い…ですか」


「紙とペン…いや、別にいいか」


 モデルが私で申し訳ないが、わりとスタンダードな膝丈メイド服にチェンジした。実際に着替えたのではなく、幻覚魔法です。うむうむ、なかなか上手くイメージできたぞ。

 せっかくだからおっさんに見せよう。なかなか可愛いのではないだろうか…服がね!


「旦那様」


「!??あ、足を隠してください!!」


 膝丈はNGだったらしい。そういやそうだった。ロングスカートにチェンジした。


「いかがですか?旦那様」


「か、かかか可憐だ…奇跡の妖精が現れたかのようだ。なんと愛らしいのだ…!」


「ありがとうございます」


 おっさんは目がおかしいと思うの。この件についてはわかり合えない気がする。


「旦那様、席についてくださいませ」


「あ、ああ…」


「では旦那様、セツが旦那様に愛を込めてお茶を淹れてさしあげますね」


 ええと、メイド喫茶ってこんなだったよね?話のネタにと友人と行ったことがあるぐらいだからなぁ…とてつもなくうろ覚えだわ。


「もえもえキュン☆」


 謎の呪文を適当にぶりッ子しつつ唱えた。あれである。ラブを注入的な感じで指でハートを作って紅茶に入れるふりをした。


「ぐはぁ!!」


 おっさんが心臓を押さえて椅子ごと倒れた。おっさんは何やら悶えている。




 こうかはばつぐんだ。




 いやいやいや、こうかはばつぐんだじゃないわ!別におっさんを倒したいわけじゃないっつーの!!呪文は適当に唱えただけだ。何故倒れたんだ!?


「おっさん!?じゃなかった、旦那様!??」


「ぐう…セツが可愛すぎる…なんと凶悪な破壊力なんだ!」


「えー?」


 可愛さと破壊力は同居できるものだっただろうか?まあ、喜んだならいいかな?…喜んでるんだよね??めっちゃ尻尾がパタパタしてるし、喜んでるんだよね??


 ようやくおっさんが座りなおして紅茶を飲もうとしたので、慌てて止めた。


「待ってください、旦那様!セツが熱くないように、ふーふーしてさしあげますね」


 おっさんの紅茶をふーふーしてあげて、おっさんに渡す。


「ふー、ふー…はい、旦那様」


「………ぐはぁぁ!!」


 おっさんが胸をおさえて倒れた。え!?また!?


「え!?」


『ふぬあああああ!!』


「ええ!?」


 ちょ、ちょっと!?店長さんまで!?お店の男性達も倒れだした。これはつまり…あまり考えたくはないけど……


「つまり、気色悪さが公害レベル!?」


 なんてこった!気色悪さで男性達を倒れさせてしまったよ!


「違う!セツが愛らしすぎて辛かっただけだ!他の男達もセツが可愛らし過ぎて悶えているのだ!!」


「えー?それはないですよ。完全に旦那様の欲目ですよ」


 自分でもやってて『アイタタタ!!』と心の中で叫びながらやってたんだもの。そんな痛い女でも愛せるおっさんは偉大だね。あと、これを素面で出来るメイド喫茶の店員さんを本気で尊敬するよ。私、切実に酒がほしい。素面でやるのは辛いよ。





「いえ…夢物語にすら存在しないような天使に出会って皆悶絶したのです」




「…はい??」


 店長さん(の頭)が大変だ!ふらふらしながらナニ言っちゃってるの!?とりあえず、はい??としか言い様がないわ。


「いや、すげえな!天使だ!」

「天使様!!」

「どうやったら天使様みたいな女性に会えますか!?」

「いや、他に天使は居ないだろ!!今ここに居るだけで奇跡なんだから!!」


 いや、日本にはゴロゴロ居るんじゃないかなぁ…私、別に特別美人じゃないし平々凡々だし…ここにきて、また異世界ギャップを感じるわ~。


「異世界には、たくさん居ますよ…多分」


「異世界は天国か!?」


「違います。ただ男女比率がほぼ同数ですから、こっちの女性みたいに高飛車な女性は珍しいですね」


 男性達はとりあえず納得してくれたようだ。良かった…まだ拝んでるけどもう気にしなーい。


 そういや異世界ギャップ…ケモミミはどっちかというと非モテ要素みたいだけど、私がつけたらおっさんはどうなるのだろうか。実験しよう。

 私はケモミミメイドに変身した。うむ、なかなかのつけ耳。




「旦那様、可愛がってほしいにゃあ」




 猫なで声でにゃんこポーズを決めました。





 アイタタタ!!





 あかん!こらあかん!!

 自分でやっといて痛すぎる!!自殺点(オウンゴール)もいいとこだよ!!痛恥ずかしぃぃぃ!!



「…………………………」



 さすがのおっさんも真顔だった。やはりアウトであったか………


「我が生涯に一片の悔いなし!!」


 おっさんはそう叫んで、吐血した。


「おっさぁぁぁん!?」


 ついに、ついに私の痛さは殺人兵器レベルに…………いや、違う。鼻血だ。これ鼻血だわ!!

 慌てておっさんに駆け寄ったら、ぬちゃ、とナニかで足が濡れたと感じた。


「…………え?」


 ナニか…それは血だった。床にはおびただしい量の出血と、やたらイイ笑顔で倒れている男性達。


「き、きゃあああああ!?」


 パニックになって叫んじゃったけど、すぐに全員癒してあげたよ。皆して貧血になっていた。原因はもちろん鼻血である。


 ケモミミメイドは異世界でも通用するが、危険だということがわかった。萌えは万国共通なんだねぇ。





 実は雪花さんは勘違いしています。おっさん達はケモミミではなく雪花さんの可愛いしぐさにやられました。

 ちょっと照れながらにゃんと言う雪花さんが可愛すぎたから鼻血の海ができたのです。


 この世界ではあの公爵令嬢さんなんかがデフォなので、にゃんこポーズの雪花さんは二次元の嫁がリアルに出てきたレベルで可愛いかったようです。

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