表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/241

事情説明されたよ

 私が今いる世界はミスティアースと言うらしい。女神ミスティアが管理しているそうな。


 色々あって、女児の出生率が下がったため…苦肉の策として活きのいい女性を定期的に異界から召喚する術を人間に与えたらしい。オイコラ、活きのいいとかなんだ。人権保護団体に訴えて勝つぞ!


「マジ迷惑」


「ですよね」


 いや、一応対象はそのいた世界と縁が薄い人間らしいが、余計なお世話だっつーの!確かに両親死別して恋人も居ないけど、身勝手に召喚されたくなんかない!頭空っぽな子供なら異世界ヒャッハーかもしんないが、仕事してる社会人なんだ。喜べるはずがない!


「帰る方法は?」


 私はピエトロ君をジロリと見た。


「…ミスティア様に聞いてみる。僕は姫様と居たいけど…仕方ないよね」


「うっ…」


 ぷにぷに可愛い妖精さんの涙…罪悪感が…!


「団長!オレンジ頭!僕は女神ミスティア様のとこに行くから、姫様は頼んだよ!」


 ピエトロ君は飛んでいった。神様だけに空にいるんだろうか。


「任せろ」

「おう」


 さて、でかくてゴツい男性2人と残ることになりました。




「とりあえず城に行きましょう。ここは魔物…化け物が襲ってくる危険があります」


 そこでおっさん…団長さんは私が靴を履いていないことに気がついた。


「姫様、失礼いたします!」


「ぎゃああああ!?」


 急に足を持ち上げられてビビりました。おっさんは私の足裏に触れる。おっさんは顔をしかめ、何かを呟いた。おっさんの手から柔らかな光がでて…足の痛みが引いていく。


「応急手当ではありますが…消毒と傷を塞ぎました。痛みはどうですか?」


「痛くないよ、ありがとう」


「あああああああありがとうなどと、勿体なき御言葉でございましゅ」





 おっさん、噛んだ。ああ…ブンブン振ってた尻尾がみるみるうちにしんなりと……





「ぶひゅっぶっぶふっ!」


 おま、オレンジ!貴様しょんぼりしたおっさんの傷に塩を塗るな!


「…えと、皆こういう、傷治したりできるの?」


「適性がありまして、俺は不得手な部類です。本当なら完全に癒したかったのですが…」


「ううん、痛くなくなっただけでもありがたいよ。ありがとう。団長さんはすごいね」

「アオーーン!!」


 しまった。誉めすぎたか!


「団長が鳴いた」


「それはもういいから」


 ちなみにオレンジ頭はできないらしいです。火は出せるよと見せてくれました。この世界には魔法があるんだねぇ。私も使えたらいいな。

 走り去るおっさんを遠い目をしつつ眺める私でした。




 おっさんはすぐ戻ってきた。私の足に走り回ったついでに見つけたという薬草をあてて包帯を巻き、皮袋を被せて簡易な靴にしてくれた。


「しかし、姫様は薄着ですな。寒くはありませんか?」


「あ、そういや姫様、名前は?俺はライティスだよ」


 こういう世界だと本名じゃない方がいいかもしれない。


「……セツ。私はセツだよ」


 いつも使ってたハンドルネームだし、本名の雪花に近いから違和感もない。


「…セツ姫様、俺はカルディア騎士団団長の「へっきし」


 寒かったのでくしゃみが出た。


「あ、ごめん。ちょっと寒くて…で、団長さんの名前は「姫様!?手が冷たいじゃないですか!これを巻いて…お前のもよこせ!!」


 団長さんのマントを巻かれました。これ、ぬくい。


「いや、俺らのマントには常温魔法があるから団長のだけで大丈夫っしょ。ねえ、セツ姫様?」


「うん。このマント、あったかい。団長さん、ありがとう。少し借りるね」


「あ、ありがたき御言葉ぁぁぁ!!」


「団長が泣いた」


「うん…」


 おっさんよ、あんたは普段どんな仕打ちを受けていたらこんなに泣くんだい?あまり知りたくないが、気になるわ。

 おっさんはしばらく泣いていた。よしよししたらまた走り出しそうで、できなかった。



「とりあえず、我らの夜営地に行きましょう」


 私は復活したおっさんに抱っこされていた。懸命に歩くと言ったが、足の怪我もあり聞き入れてもらえなかった。しかしそれでも抱っこを回避しようとしたら、おっさんがしんなりしてしまった。


「…このような醜い筋肉だるまが運ぶのは嫌でしょうからライティスに「団長さんがいいなあ!お耳も触れるし!」


 私は結局、泣きそうなおっさんに負けたのだ。しかもおっさんはもふもふ…じゃなかった狼さんの頭になってくれたからもふもふし放題である。


「もふもふ~」


「……………(尻尾がパタパタ)」


「変な絵面だなぁ…」


 言うな、オレンジ!私もそう思うから!

 おっさんのマントにくるまれた私は、おっさん狼に抱っこされているわけだ。おっさんが嬉しそうだからいいんだよ!!多分!



「団長、その子どっから拐ってきたんですか!?」


「!?」


 夜営地についたらしく、オレンジ頭と同じ格好したお兄さん達がたくさんいるなと思ったら、いきなり爆弾が投下された。

 ごめん、私もおっさん顔怖いからそう言われんじゃないかなってちょっと思ったよ…おっさんが多分泣きそうだ!狼顔だからわかりにくいけど、多分!な、なんとか言い返さねば!オレンジは爆笑しててあてにならん!


「えと…おっさんは私が足を怪我してたから運んでくれたんです!人さらいなんかじゃありません!優しいおっさんに酷いこと言わないで!おっさんをいじめんな!!」

「あ、アオーーン!!アオーーン!!」


「!?」


 おっさんは私をそっと降ろすとまた走り出した。どこ行くんだよ!


「おっさぁぁぁん!?」


『団長が鳴いた』


 それはもうええわ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] おっさん鳴きすぎwwwww
2022/02/10 01:10 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ