表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/241

近衛騎士を敵認定したよ

 本日は2話更新となります。

 おっさんの汗拭きという大義名分のもとモフモフを愛でていたら、ナニやら派手な鎧の騎士達が来た。近衛騎士達かな?


「おや?この時間は我々が使うはずでは?」


「まだ時間には早いですよ。そちらが早く来すぎただけです」


 副団長様がクールに言い返した。いや、微妙に口がひきつってるわ。


「おや、そうでしたか。なら、さっさと撤収しなさい。我々が使いますから。獣臭い、庶民臭い連中が使った所など本来なら使いたくないのですが、仕方なく使って差し上げますよ」


 先程より明らかに副団長様がひきつっている。しかし仕方なく片づけを指示する副団長様。近衛騎士達はニヤニヤしていた。


「まあ、それは私の婚約者への侮辱ですか?それとも、騎士団に仮採用されてる私への侮辱ですか?どちらにせよ、聞き捨てなりませんわね!」


 近衛騎士のあまりの暴言と態度に、私がキレた。そして、その怒りに連動したうちの可愛いピエトロ君が雷雲を喚んでいる。黒焦げにしてやろうか?ピエトロ君が麒麟姿で威嚇する。


「滅相もない!!失礼しました!」


 いやみな近衛騎士は即土下座した。危機察知能力はまあまあ高いらしい。他の近衛騎士もビビっている。多分この間のかき氷器のせい…だよね…?


「あら、そう?なら合同訓練しましょうよ。チーム対戦がしたいわ。うちは私とサズドマ、シャザル君でどうかしら。勝ったらここは、しばらく騎士団が使わせていただきますよ」


「僕!?せ、せめて副団長のどっちかか団長…」


 シャザル君の自信なさに後押しされたのか、いやみな近衛騎士は快諾した。


「いいでしょう、ならばこちらはヘルマータと私と…」


「姫様!?」


 おっさんが止めようとしたが、私はにっこり笑った。


「おっさん、止めたら私はピエトロ君と近衛騎士を滅ぼしに行きます」


「頑張ってください!」


 おっさんは私の本気と殺る気を感じ取ったらしい。うふふ、頑張っちゃうもんね!


「姫様」


 お叱り?と私は身を竦めた。しかし、副団長様はそれはもう爽やかな笑顔でございました。私の頭をよしよしした。


「殺ってきなさい」


 副団長様はそれはもうイイ笑顔で首を切るジェスチャーをした。


「殺ってきます!!」


 私もイイ笑顔で元気よく首を切るジェスチャーをした。


『いや、殺ったらダメだろ!』


 おっさん、オレンジ頭、ガウディさんからつっこまれた。いやいや、殺さないよ?こてんぱんに痛めつけるだけだよ。ノリだよ、あくまでもノリ!

 何故に近衛騎士さん達は震えているんだい?






 そして変態(ロリコン)が来た。


「おお、麗しの姫様…このようなむさ苦しい騎士団にこきつかわれてかわいそ「ごたくはいいからさっさと始めましょうか」


 私は変態(ロリコン)の話をぶった切った。変態(ロリコン)に付き合っても疲れるだけである。しかもこきつかわれてなどいない。私が働きたくて働いているんだから。


「ヘルマータ、お前はあの試合で姫様を諦めたのではなかったのか?」


 おっさんのまっとうなツッコミに、変態(ロリコン)は悲しげな表情をした。


「ああ、諦めたよ。姫様は苛烈な性格で怖かったしな。だが、あれこそが姫様の愛だと気がついたんだ!俺の間違いを正し、俺の魔法の暴走を止めてくれた。姫様は俺のために怒ってくれたのだ!俺は新たなる気持ちで姫様を愛している!!」


 まあ予想はしていたよ。意味わからないし、理解したくもないけどね。


「愛してないから!超キモい!つうか、なんなのその意味不明な結論は!おっさん、癒して!」


 おっさんの首に顔を埋めて匂いをかぐ。やっぱりいい匂い…


「いい匂い…」


 おっさんの腕の中にはきっとマイナスイオンがあるに違いない。変態(ロリコン)により荒んだ気持ちか癒されていく……


「ひ、姫様!汗臭いでしょうから嗅がないでください!!」


 おっさんは真っ赤になって困っている。しかし私を剥がせない。抱きしめ返していいものか迷っているらしく、手がさまよっている。


「汗臭くないよ。おっさんて獣臭しないよね。いい匂い…私、おっさんの匂い大好きです」


「お、俺(の匂い)が好き……」


 まあ、間違ってないけどね。しかしおっさんをたまに困らせたくなるのはなんでだろう?あれか?好きな子ほどいじめたい的な……いや、違うな。おっさんがなんだかんだで喜んでるからだね。


「うん、だぁい好き」


 甘えた声で囁いて、スリスリしました。


「あ、アオォォン!」


 あ、やべ。限界だったか。


「団長、ヒメサマ、いーかげん始めよぉぜ」


 サズドマに言われて素直におっさんから離れる私。さて、いっちょやりますか!

 長いのでここまで。次回はチーム対決です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ