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新技完成?なんだよ!

 ケビンは木を使って縦横無尽に動き回り、怪獣魔王とやりあっている……が、いかんせんサイズに差がありすぎて致命傷にはいたらない。このままでは一寸法師作戦をやりだしそうだが……それで溶かされて死ぬ可能性が高い。ケビンがそれを思いつく前になんらかの対策を考えねばならない。


 やはり決定打はバナナ。ジュース状にして、ケビンに投げた。もうガンガン試すしかない!


「剣に塗って!」


「わかった!」


 明らかに傷口が焼けただれたが……まだまだ致命傷には程遠く、怪獣魔王が暴れだしてしまった。


「何かないか何かないか何かないか何かないか」


 ひたすらに、荷物から出しまくる。何か……せめてヒントでもいい。何か……!!


「あ……!!」


 それはかつて封印したブツだった。



 その名も、徳用チョコ398円!!



 私は光り輝くバナナを魔法でスライスして乾燥させ、溶かしたチョコでコーティングした。






 光り輝くチョコバナナチップスの完成である!!





 チョコを冷やしたので、チョコはパリパリ、バナナチップスはサクサク!すごくおいしい!!しかし、これは私が食べるために作ったわけではない。


「ピエトロ君、プクプク君!!」


 私を護るために周囲を警戒していた二人がこちらに来てくれた。


「これを食べて!!」


「……いいの?これ、貴重な物なんじゃあ……」

「ちょこ!ちょこだああああ!!!」


 ピエトロ君は遠慮しているが、プクプク君は食べる気満々だ。以前チョコを食べたプクプク君の超パワーアップがあったから、ピエトロ君はチョコを食べたことがない。プクプク君がチョコの素晴らしさを語っていたので食べたいが遠慮しているのだろう。


「いいの!このままじゃ勝てないもの!」


「……わかった」

「いただきまーす!!」


 二人が同時に光り輝くチョコバナナチップスを食べた。その瞬間、激しい光に包まれた。眩しくて目を開けていられない!!


「「んまーーーーーーーーいいいいい!!」」


 そして、同時に叫んでいた。冷えてパリパリのチョコって最高だと思うの。そして、二人はイケメンになっていた。サイズも妖精さんから普通の成人男性サイズになっている。


「力が溢れてくる……これなら……いける!!」

「うふふふふ……姫様ぁ、残りもちょうだいねぇ……?」


「もちろんだよ!」


 二人に残りの光り輝くチョコバナナチップスを渡した。


「うふふふふふ……いでよ、聖なるバナナマキシマム!!」


 輝くバナナが木ごと現れ、急速に成長していく。周囲の木を枯らしているような……?環境破壊はほどほどに!


武器付与ウェポンエンチャント聖雷ホーリーサンダー!!」


 え?バナナって武器なの?た、確かに散々食物(バナナ)というか、爆発物バナナって扱いだったけども!

 そんな阿呆な事を考えている間にも、神聖を通り過ぎて凶悪なほどバチバチいってる爆発物バナナが量産されてゆく。

 ケビンは変わらず戦っているが、多少疲労してきたのか動きが鈍いような気が……気のせいだったようだ。また速くなった。緩急をつけてただけのよう……いや、わざと弱ったように見せ誘導しているのかもしれないね。

 ケビンの方に意識を向けていたら、ピエトロ君が私を呼んだ。


「姫様!姫様の鳥なら爆発物バナナを運べるはずだよ!なにか召喚して!」


「任せて!!」


 怪獣魔王に爆発物バナナを運んでくれて、強い鳥さん……!!おいで!!


「こけこっこおおおおいい!!」


 相変わらず鳴き声がこけこっこい……!?

 私のイメージした鳥は、鷹だった。今回、鷹はイメージした通りである。問題は、そのオプションというかなんというか……??


「こけこっこおおおおいい!!」






 こけこっこいと雄叫びをあげるのは、和服を着たおじさんだ。ただ、とても変わった装いをしているし……何よりもでかい。鷹がプテラノドンサイズだからか、おじさんもでっかい。巨人である。

 うっかり脳内で心の臓を捧げよ的な音楽が鳴り出したが、現実逃避している場合ではない。私はおじさんを観察した。変わった和装……普通の紋付袴と違って山伏のような動きやすい服。その右腕は布でぐるぐる巻かれている。


 これって、鷹匠!?


 それに思い当たると、そうとしか思えない。鷹がとまった際に腕を傷つけないための装備か!!いやでも……鷹、多くない?カラスの大群かってぐらいいるよ?

 鷹匠が鳥類のカテゴリーなのかはわからないけれど、とりあえず私は……もう気にしないことにした。


「総員、爆発物バナナを怪獣魔王に当てなさーい!!」


「こけこっこおおおおおおいい!!!」


『こけこっこおおおおおおいい!!!』


 鷹匠?が雄叫びあげると、それに呼応したかのように鷹達が怪獣魔王へと襲いかかった。


「……あれ?爆発物バナナは?」


 鷹匠?がテヘペロ顔になった。うおおおいい!召喚した意味!!


「雪花……これは一体……」


 鷹の猛攻撃により、ケビンが私のところに戻ってきてくれた。


「私もよくわからない!ただ爆発物バナナを運んでもらおうと思っただけなのにいいいい!!」


 ケビンに抱きついて首筋にぐりぐりしつつ甘える。いきなり飛びついても全くふらつかないなんて……素敵すぎる。


「ぬあっ!?く、くーん……」


 驚いたようだが、すぐ私を宥めるように撫でてくれる。私の夫はスパダリです。その存在だけで癒やされるぅ!!


「……雪花。雪花の鳥達は、きちんと命令を理解した上で襲いかかったようだぞ。俺が爆発に巻き込まれないように結界を起動してから、爆撃が始まった」


「え!?」


 いつの間にか私は結界の中にいた。魔力波長からして、私があげたペンダントにためた魔力を使ったらしい。防音もあるらしく、ド派手に爆発していても音がしない。


 鷹匠が指示をして、鷹が誘導班、爆撃班、攻撃班に分かれて動いているのだ。


「素晴らしく統制された動きだ」


 もはや、鷹匠というか鷹マスターだね。ツッコミが追いつかないよ……?こうして、怪獣魔王はチョコレート強化からの鬼コンボにより爆散した。


 めでたし、めでたし??

チョコバナナを読んでいた人がいました。読者様にエスパーの方がいらっしゃいます(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] 明さんの小説はどれも面白くてストレス軽減されます(笑) お体にお気をつけて!更新待ってます!
[一言] この鷹匠のお爺さん、山口多聞とかいう名前だったりして。 知らない人は「山口多聞」「真珠湾攻撃」でググりましょう。
[一言] 祝!200話!! 祝!TAKA様!!読みが完璧すぎる(oゝД・)b そしてもう何が最強なのかわからなくなってきた(笑) バナナ?チョコ?鷹マスター? うん、全部雪花さんが生産&召還だか…
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