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ついにバナナが効かないかもよ

 世界各国を飛び回り、バナナを投げる私と、カッコよく魔王をぶった斬るケビン。たまたま立ち寄った国でそれがどんな結果をもたらしたのか知る羽目になった。


 魔王は時間の経過と共に強くなる。そのため、バナナ連打だけでは勝てなくなってきたし、本当に色んな所にいるので他国で多少被害が出てしまったのだ。お義父様が私達の事を伝えたせいもあるだろう。


「ようこそ、お越しくださいました!聖剣の勇者様とバニャニャの聖女様」


「………人違いですわね。帰らせていただきますわ」


「雪花、どこに帰るんだ?魔王を倒さねば、被害は更に広がるぞ?」


 とっても真面目なケビンに止められてしまった。仕方がないのでケビンに抱きついて説明した。


「だって、バニャニャの聖女だなんて変じゃありませんか。わたくし、そんな変な呼び名で呼ばれたくありませんわ………と言ってさっさと倒しちゃおうかと思ってさ」


 前半は聞こえるように言ったが、後半は耳元で囁いた。


「雪花……すまない。雪花の機転を無駄にしてしまったのか……」


 シュンとするケビンは可愛い。機転というほどでもないので気にしないでと頭を撫でる。毎日のブラッシングにより、以前よりも格段に毛艶がよくなった。なんでも、モフモフ系獣人は毛並みがよくなると夫婦生活が順風満帆と思われるそうだ。それがなくてもやっただろうけど、ブラッシングすることでケビンが幸せだと周囲にアピールできるだなんて一石二鳥だ。そう思いながらケビンの毛並みを堪能していたら、爆音がした。


「たたた、大変です!お逃げください!!」


 慌てた様子の騎士が謁見の間に飛び込んできた。ケビンはすかさず私を抱えて駆け出した。本気を出したケビンを止められる者などいない………いや、私ならいける??でも今回は止めるつもりなどないのでケビンにしがみついた。





「……大きいな」


 ケビンが止まったので私も周囲を確認したが、ジャンル違い案件が発生していた。


「か、怪獣?」


 どうやら現在私達は城のテラスにいるようだ。その先にいた多分魔王。多分魔王は怪獣としか言いようの無いほど巨大だった。多分魔王な怪獣はめちゃくちゃに暴れまわっている。


「……相手にとって不足はなし、か。しかし、ここまでの巨体とは戦ったことがないな。ドラゴンの二倍……いや、は三倍はあるか」


 この巨体を見ても戦意を失わないあたり、流石はケビンである。動きを観察し、どうすれば倒せるか考えているようだ。


「どっせーーーーい!!!!!」


 少しでも怪獣魔王を削っておこうと房バナナを大量にぶん投げた。風魔法で補助すれば、あれだけの巨体だ。簡単に当たる。

 ケビンには悪いが倒せちゃったのでは……??


「ギャオオオォォォ!!!」


「嘘ぉ!?」


 効いてはいるようだが、怪獣魔王は生きていた。そして、めっちゃ怒ってこっちを見ている。嫌な予感しかしない!


「雪花!!市街地でこれ以上被害を出すのは得策じゃない!幸い奴はこちらを狙っている。外へおびきよせよう!!」


 頼りになる旦那様ことケビンは私をお姫様抱っこするとバルコニーから飛び降りた。そして、屋根から屋根へと飛び移る。

 相変わらずどうなっているのかわからないが、私への振動はごく僅か。しっかりと私を固定しつつもきつくはない。絶妙な力加減である。


「そいやそいやー!!」


 私もケビンに抱っこされてるだけではない。なるべく怪獣魔王のヘイトを集めるべく、バナナを投げまくっている。旦那様が抜群の安定で私を支えているからこそできる技である。


 そして、バナナ爆弾をくらいまくった怪獣魔王が怒りの咆哮をあげながらついてくる。


「雪花、少し速度を上げるぞ。このままでは追いつかれる」


 言うが早いか、ケビンが加速する。怪獣魔王を振り切らず、追いつかれない絶妙な速度だ。それでもやはり衝撃が来ない不思議。ケビンは家の屋根を飛び移っているから相当な衝撃があっていいはずなんたけどねぇ。




 ようやく、城下町を囲む外壁が見えてきた。


「ケビン、どうするの?」


 どう考えても家の屋根から飛び移れる高さではない。魔法を使うか聞くつもりで声をかけたのだが、ケビンは私の予想を超えてスゴかった。


「問題ない、跳ぶぞ!!」


 流石に身体強化魔法を使ったのだろう。ケビンがありえない跳躍をした。ケビンの身体能力をもってしても不可能と思ったが、ケビンは十メートルはありそううな外壁を……



 飛び越えた。



「嘘おおお!!!?」


 そして、何事もなかったかのように着地。私への衝撃はほぼゼロ。改めてケビンの凄さを体感した。


「驚かせてすまない。これでしばらくは時間が稼げる。雪花は隠れていてくれ」


 怪獣魔王が外壁を壊そうとしてるらしく、外壁から轟音がしていた。ケビンは素早く高い木に登り、怪獣魔王を迎え討つようだ。

 私は……私には何ができるだろう。とりあえず隠れながら考えた。

ここのところ、更新をサボって申し訳ないです。体調もありますが、妖怪サボり魔が……(´;ω;`)

皆様の感想のおかげでなんとかなっております。

なるべく最低週一ペースで行きたいと思います

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― 新着の感想 ―
[一言] タイトル読んだ瞬間、そんなバナナ!!と呟いた私はバナナに侵食されてると実感した( ・∀・) そしてバニャニャの聖女って呼び名は普通に嫌だろ(笑)肉の聖女に匹敵するやつ(oゝД・)b 季節…
[一言] そいやぁああ!!バナナを喰らいやがれ、妖怪サボり魔めぇっっ!!あ"うっ!←オウンゴール(笑) 湿気がひどいとヤル気なんか出にゃいですしぃ?←言い訳(笑) ゴジラサイズをバナナで倒すのはム…
[一言] 高機動爆撃夫婦ですねw
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