表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/241

バナナ最強説なんだよ

 倒したワニ魔王から出てきた魔宝玉を回収する。崩れたワニから這い出してきたのは……………?




 なんと、カモノハシの赤ちゃんだった。




「うわ、可愛い!」


 ひよこも可愛いけど、カモノハシ可愛い!抱っこして撫でてみた。もふもふで可愛い。


「こんな簡単に殺られるなんて……勇者よ、ワシに何を食わせた!?」


「勇者ではなく騎士団長の奥さんです。食べさせたのはコレですね」


 めっちゃバチバチと火花を散らすバナナを差し出した。


「なんだこれは!?聖なる力が迸っているではないか!!」


 え?このバチバチ、雷じゃなかったの?そういえば、聖なるバナナって名前だったかも。


「私を守る精霊さんが女神の庭で育て聖水使って育てたバナナだそうです」


「………なんで聖地でバナナを!?しかも聖水を使ってだと!?」


 カモノハシ魔王がショックを受けていた。聖地……そうか。女神の庭って聖地なのか。なんでと言われても私が指示したわけではないので、ピエトロ君を喚んでみた。


「なんでって、土地が余ってたし。聖地は気候もいいしなんでもよく育つし美味しいから、とびきり美味しいバナナを作って姫様にプレゼントしようと思ったんだよ」


「ピエトロ君……」


 マジでいい子!嬉しいわ!その気持ちだけでも嬉しい!!感謝を伝えるために抱きしめた。


「姫様ぁ、ボクもがんばったよぉ。もうすぐ第二段ができるからねぇ。今度はきっと大丈夫だよぉ」


 プクプク君にもナデナデした。二人とも、なんていい子なんだろう。プクプク君はお礼のバナナスイーツ目当てだろうけど、私を喜ばせようとしてくれたのは本当だろう。

 まあ、バナナを一番喜ぶのはコング達だろうけど。


 それにしても、魔宝玉という力の源がなくなったからだろうけどひよことカモノハシ(の赤ちゃん)だなんて、どう考えても弱そうだ。


「ピヨ魔王」


「……まさか、それは我の……わたくしめの事でございましょうか!?なんなりとお聞きくださいませ!ひよこ風情がご主人様の話を遮って申し訳ありませんでしたあ!!」


 私、まだ何も言ってないんですが?ディナーにするという脅しを真に受けすぎではないだろうか。


「貴様、魔王としての矜持はないのか?」

「お前に何がわかる!?我は生き延びたいのだ!ご主人様の不興をかって調理されるわけにはいかんのだ!我は、生き延びたい!生まれたばかりで死にたくない!!ディナーになんてなりたくない!丸焼きは嫌だああああ!!」


「ちょ、調理?」


 カモノハシ魔王…略してカモノ魔王が怯えた目でこちらを見てきた。いや、しないよ?という意味で首を振ったらビビられた。なんか、意味を取り違えている気がする。説明が面倒だから、とりあえず話題を変えよう。


「名前、ピヨ太郎がいい?」


「ピヨ魔王でお願いいたします」


 まあ、別に名前についてはいいとして本題に戻ろう。


「なんというか、あんたらやたら可愛くなったというか……弱そうね?弱体化し過ぎてない?」


「「!??」」


 ピヨ魔王とカモノ魔王が固まった。いや、どう見ても弱そう。


「い、今は弱体化しておりますが、魔王の力を取り込めば少しずつ成長し、守護獣としてご主人様のお力になれるはずです!」


「……んー、魔王を倒したけど変わった感じしないけど?」


「いいえ!見てください!」


 手のひらサイズのピヨ魔王は、アヒルのひよこになった。とても得意気だが、弱そうなのは変わりがない。


「本当だわー。大きくなったわね。じゃあ、サクサクっと魔王を倒しまくりましょう!」




 そんなわけで、魔王をバナナで倒しまくった。不意討ち、闇討ち、会話途中でバナナをぶん投げたら皆一撃。守護獣になったのはピヨ魔王とカモノ魔王だけだった。他の魔王は弱いので、守護獣にはなれないらしい。倒されると光の粒になり守護獣二匹に取り込まれた。


「なんか僕、魔王がかわいそうになってきました」

「なんつーか、運が悪かったわなァ」


 シャザル君とサズドマの愚痴は聞かなかったことにする。

 話を戻そう。そして、ピヨ魔王は某有名ロールプレイングゲームのチョロボ……黄色くてデカくて人が乗れそうなひよこになった。カモノ魔王は、何故か二足歩行のアヒルになっている。これまた某有名アニメの頭痛に悩まされるボケモンそっくりだ。


 それなりに力が戻ったらしく戦えるらしいが、今の所バナナ連打とケビンのコンボに耐える魔王はいない。そもそもバナナは口に入れなくても効果絶大であるため、投げまくれば勝てる気がする。食べ物を粗末に扱うのは少し心が痛むが、魔王が野に放たれれば被害甚大なので仕方ないと思っている。


「ケビンはすごいね!」


 魔王を一刀両断する夫は規格外すぎると思う。ケビンがその気になれば単体で魔王を狩り尽くすのではないだろうか。


「そのバナナのおかげだな。恐らくはそのバナナ、魔王を弱体化させる力があるのでは?」


「へ??」


 私の手で黄金に輝きながらバチバチいってる自己主張が激しいバナナを見つめる。マジで?このバナナにデバフ効果が??


「よく気がついたね。この聖なるバナナは邪悪なものを弱体化させるように女神に祈らせた特別製だよ!僕らの大切な姫様に迷惑かけたんだから、当然だよね!」


「最初のよりぃ、ずっと強力なんだよぉ」


 手の中のバナナを見つめる。たしかに以前よりもバチバチが増してる気はした。気のせいだと思いたかった。


「そんなバナナ!!」


 感想はそれしか浮かばなかった。魔王退治はバナナ無双で終わるかもしれない。そんなバナナ!!なんてバナナ!!私のバナナはとんだバナナだった。バナナによって、世界は救われるかもしれない。

進化し続けるバナナ……

バナナよ、永遠なれ!


なんだこれwww

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 【女神に祈らせた】ってとこが【さすが!】と思いました(笑)
[一言] 『祈らせた』ww
[一言] あ、美味しそうなバナナがこんなトコに置いてあるネッ!いたらきまぁす!!(* ̄∇ ̄*)←好物(笑) あぁココロが洗われるよう……スミマセンスミマセン、仕事サボってごめんなさい…手抜きしてゴメ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ