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続・そんなバナナなんだよ

 空ではトッテモツヨインダドンVS始祖鳥とスーパーでハードなペンギンという大怪獣対決が繰り広げられている。空中戦なので、こちらから手出しができない。トッテモツヨインダドンが素早すぎて、下手をすると鳥達に当たるかもしれないからだ。


「すげ……」


「さて、決着をつけるかな」


「…………は?」


 あくまでも、今拮抗しているのは数が同数だからだ。私の魔力にはまだまだ余裕がある。強そうな生き物を喚べばこちらが勝てる。


「出でよ、いっぱい始祖鳥とスーパーハードペンギンず!!」


「「こけこっこぉぉい!!」」







 やはり、物量で押せば瞬殺だったね。


「ヒメサマだけは怒らせないようにしような」


「サズドマじゃないから大丈夫だよ」


 安全とわかると、仲良し騎士二人がじゃれ始めた。傷だらけのコングを癒してやろうとしたら、元ボスがそっと傷ついた仲間に何かを食べさせた。


『バナナー!!』


 そしていきなり飛び起きた。は!?どういうこと!?


『俺のバナナ……』


 なんか悲しんでいる元ボスには聞くに聞けない。元気なコングに聞いてみたのだが、あのバナナは元ボスが品種改良し、魔力を与えた特別なバナナで、なんでか治癒効果がついちゃったらしい。そんなバナナ。そのバナナは魔力を籠めれば長期保存もできるらしい。すごいな、バナナ。

 元ボスは祝い事の時に皆で食べようと大事にとっていたらしい。優しいな、元ボス。


「ギシャアアアア!!」


 ほんわかしていたら、けたたましい雄叫びが聞こえた。トッテモツヨインダドンにトゲトゲをつけてでっかくしたような奴だった。


「鳥さんたち!」


「「こけこっこぉぉい!!」」


「ユルサヌ!キエロ!!」


 鳥さん達が強そうなトッテモツヨインダドンに消されてしまった。


「ヒメサマの鳥が消えた!?」


 やられたというよりは、魔法を解除された感じだ。反動もない。こいつと私は能力的な相性が悪い。そう感じた。


「炎の矢!!」


 雨のように炎が降り注いだ。矢というか、雨みたいだ……が……。


「キカヌ!!!!」


 一瞬で炎がすべて消える。しかし残念ながら、炎の矢は本命じゃない。


「ぬぅん!!」


 毛玉のように毛皮を膨らませたケビンが強そうなトッテモツヨインダドンの背後から跳躍し、斬りつけた。派手に血しぶきが飛ぶ。


「グキャア!?オノレ……!」


「浅かったか……次は仕留める」


 危なげなく着地し、剣を構えるケビンは本当にカッコいい。こんなイケメンが人気ないとか、この世界は本当に間違っている。


「キサマ……ワレガ魔王ホントウニツヨインダドントシッテノロウゼキカ!??」


「魔王?」


「ま、魔王!?ちょ!ヤベェじゃねぇか!」

「魔王が現れただなんて……」


 サズドマとシャザル君とコング達がショックを受けてるみたいだけど……倒せばいいのでは?私は無理でもケビンなら倒せると思う。実際魔王?もケビンだけ警戒してるし。


「魔カラウマレシモノタチヨ!ワレニシタガエ!!」


『ぐう……』

『う……嫌だ……』


 コング達が苦しみだした。咄嗟に結界を使おうとしたら、元ボスが止めた。


『お前達………このまま魔王に支配されれば、バナナが食えなくなるぞ!!俺は嫌だ!品種改良した新バナナを食べられないなんて……嫌だああああああ!!』


 どんだけバナナに執着しているのだ。もとボスに続き、コング達が叫びだした。


『バナナバナナバナナ!』

『報酬のバナナをボスから貰うまでは……魔王に操られたくない!!』

『バナナのためなら、限界を………超える!!』


 本当に、こっちのバナナにはやばい成分とか入ってないのかしら?コング達のバナナ愛が深すぎる。


「………プクプク君」


「呼んだぁ?」


「バナナを出して」


「いいよぉ!」


 プクプク君がバナナを山盛り出してくれた。私は、そのうち一つのバナナを掲げた。


「魔王の支配をはね除けなさい!そうすれば、バナナ食べ放題よ!バナナが欲しいなら、抗いなさい!!」


『バナナ!』

『バナナバナナバナナ!!』

『バナナバナナバナナバナナバナナバナナバナナ!!』


「バ、バカナ!?ワガシハイヲウケツケヌダト!?」


「そうよ!お前はバナナに負けるの!バナナ以下の魔王なのよ!」


 バナナを魔王に突き出して見せた。バナナ以下の魔王……そんなバナナだわ(笑)


「チガウ!ワレハ、ツヨイノダアアアアアア!!」


「きゃあ!?」


 ヤバい!久々に警告音が鳴り、ペンダントが作動した。長いこと貯めていただけあり、魔王でも解除しきれないようだ。


「姫様、はいコレ。あいつの口に投げてー」


「えい!」


 ピエトロ君から渡されたので、反射的に受け取って結界に小さく穴をあけてぶん投げ、結界を閉じた。


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!?」


 魔王の腹がまばゆく輝いてめちゃくちゃバチバチしてる!


「ピエトロ君、あれなに!?」


「プクプクと作ってみた、聖なるバナナ」


「どんなバナナ!?」


「なんか、プクプクが世界一おいしいバナナを作りたいとかいうから、女神の庭で聖水使って育てたやつ。バチバチしてるのは僕が魔力を籠めすぎたからかなー。食べ物じゃなく、残念ながら武器として使うしかないんだ」


「なんてバナナ……」


 魔王はバナナに完全敗北した。何故か、魔王はトゲトゲしたプテラノドンからひよこになってしまった。


 そんなバナナ!!

なんでこんなことになったのか、作者にもわからんのです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 果実で倒される魔王……夢工房ドキドキパニック?……いやあれは野菜かw
[一言] ……バナナを聖なる食べ物として崇め奉るべき…? 『『『バナナバナナバナナーーー!!』』』 ほげ?!ぽろりと漏れ出た言葉にお猿ズがっ!あぁ…祭壇を作りはじめて……っごめんなさい、せっちゃんっ!…
[一言] 魔王なのに、一話で終了・・・ そんなバナナ( ^ω^)・・・
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