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異世界トリップしたので可愛い獣人を全力で愛でることにしました。  作者: 明。
ちょっと寄り道、副団長様の春

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皆違って皆いいんだよ

 とりあえず、副団長様がおかしくなった理由はわかった。ラトビアちゃんが可愛すぎた結果、恋心が暴走したのだろう。ラトビアちゃん、すげえ。


「副団長様」


「はい」


「そもそも、ラトビアちゃんは別にケビンが好みではないと思います」


「………………はい?」


 恐らく、間違いないだろう。


「ラトビアちゃんは小説のネタとしてケビンに興味があります。ただ、現実のケビンは尊敬できる人ではあるようですが異性としては見ていません」


「団長は見た目以外は素晴しい人です!内面を知れば惹かれない人間はいません!」


「いいえ、あり得ません。ケビンをちょっとでも意識している女性にケビンを近づけるなんて私が嫌ですから。ケビンが私と娘達以外にモテるなんて許しません。この嫉妬深い私が無害と判断したのです。間違いない!!」


「え?」

「は?」


 ガウディさんまで不思議そうな顔をした。え?どゆこと??


「あの…姫様って、嫉妬するんですか?」

「します。ケビンが私と娘達以外にモテたらジェラシーストームです。ケビンが大変なことになります」


「「………………」」


「話がそれましたね。つまり、ラトビアちゃんの好みを把握する必要があります。ついでに言いますが、副団長様も副団長様で素敵だと思います」


「………………は?」


 めっちゃキョトンとしている。何故?副団長様って普通にモテる部類だよね?


「個人的な見解ではありますが、副団長様は異性として大変魅力的です」


「…………………は?」


「その美貌はもちろん、社会的に地位があり高収入。真面目だから、モテたとしても浮気の心配はない。一見冷たいですが、実は部下の成長を考えて面倒でもやり直しをさせて根気よく指導するような人です。懐に入れたものには甘く、わかりにくいですがとても優しい「すいません、誰のことですか!?」


「副団長様です」


「ガウディですね!?」


「ガウディさんも副団長様ではありますが、ガウディさんはガウディさんとお呼びしますし、一見冷たくないでしょ。わかりやすく優しいでしょ」


 なんか副団長様が奇声を発している。大丈夫か?恋って本当に人を変えるんだね。


「的確に急所を突いてくると言いますか…姫様はよく見てますねぇ」


「まぁ…それなりには。副団長様はとてもいい上司でした。大事な友人に紹介してもいいと思えるぐらいに信頼してますし…数少ない『雪花(わたし)』として見てくれた人ですから」


「…なるほど」


 穏やかにガウディさんと微笑みあった。そこに、小枝と葉っぱまみれのマイダーリンが帰還した。


「団長…団長は日々姫様の天然攻撃に耐えていらしたのですね。くらってみてわかりました…すごくキツい」


「……イシュトにここまでダメージを与えるとは…流石は雪花だな」


 うん!誉められてる気がしないよ!若干ひきつっていた私に気づいているのかいないのか、ガウディさんが話題を修正した。


「とりあえず姫様の結論としましては、イシュトはそのままでよいという事ですか?」


「そうです。むしろ、己の魅力を最大限に活かしてメロメロにしちゃうべきです!!」


「私の魅力……金ですか?給金はまったく手をつけてませんから、大概の物は手に入ります」


「いやいや。違います」


 副団長様は真顔だった。貢ぐ君になってどうする。


「とりあえず、毎日贈り物をしてはいますが…もっと高価なものにした方がよろしいですか?」


 すでに貢ぐ君に…いや、この世界ではこれが普通か。希少なものを贈る人間がモテる。今は毎日花を贈っているらしい。


「そうですね、小物などはいかがです?リボンやちょっとした髪飾りやショールなんかを贈って、次に会うときに身につけて欲しいってメッセージを添えるとか」

「天才ですか」


「…普通だと思います」


 副団長様、ラトビアちゃんが絡むとマジでポンコツだなぁ……それだけ本気だってことなのかな?よくわからん。


「後は、ギャップ萌え?普段は優しくしてるんでしょ?こう、壁際においつめて…」

「きゅ、きゅーん……」


 やばい、おいつめられたケビンが可愛い。


「ケビン、身長差が逆だから、しゃがんで」


「く、くぅん?」


 戸惑いながらも素直にしゃがむケビンは天使です。瞳も潤んで可愛い。このままテイクアウトしたい。壁ドンからの顎クイで囁く。


「可愛い人、このまま閉じ込めてあげようか?それとも…「あ、アオオオン!アオオオン!アオオオン!!」


 ケビン、耐性が無さすぎないか?あれ?副団長様とガウディさんが悶えている。なぜに??あ、ケビンが今度は壁をぶち破った。ぶち破りやすいモノの認識すらできなかったらしい。とりあえず魔法で修復する。


「とりあえず、姫様が男じゃなくてよかったです」

「そうですね。勝ち目がない」


「どうしてそうなった」


 色々相談した結果、ラトビアちゃんは毎回丁寧なお礼状をくれるそうなので文通してみたらどうかということになった。

 ラトビアちゃんからもお話を聞こうと思います。

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