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100話記念なんだよ

100話突破記念小説です。

 今日は…ケビンと色々いたして…寝たはずなんだけど。


 懐かしい風景だった。私が育った都会の街並み。私はパンツスーツ姿で、いつも通りに部屋に帰る。見慣れた1DK。バストイレ別、洗濯機室内。収納ありの住み慣れた我が家。

 誰もいない部屋に、今までの事は夢だったのだろうか……なんて悲しむことはなかった。





 私の部屋で、巨乳美女が亀甲縛りで吊るされている。




 そっとドアを閉めた。




 とりあえず、部屋番号を確認。我が家である。つうかそもそも別の家だったら鍵が合わないだろうとセルフツッコミした。



 覚悟を決めてドアを開けた。



「初めまして、お邪魔しています。大変申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!」



 そっと、ドアを閉めた。



 先程の視覚情報を整理しよう。ドアを開けたら、黒と青と紫を混ぜたような髪色で、ナイスバディのつり目美少女から土下座された。


 意味がわからん。これは多分夢なのだろう。こんなに意識がはっきりしている夢も珍しい。

 しかし、私には美女を亀甲縛りしたいとか美少女から土下座されたいとか、屈折した気持ちがあったのだろうか………いや、んなわけないわ。


 つい真顔になったが、ないわ。そんなのないわ。


「あの…」


 先程のつり目美少女がドアから顔を出した。


「本当にミスティアがすいませんでした」


 みすてぃあ…ミスティア…ああ、あのうっかり女神様……?


「とりあえず、お仕置きに縛りあげておきました」


 ああ、なるほど。つまり、彼女はミスティアの関係者で私のためにミスティアを縛りあげてくれたと。


 うん??

 脳内をフル回転させた。


「お嬢さんはどちら様ですか!?あれはマジでミスティアなんですか!??つうか、そもそもなんで縛り上げたんじゃぁぁい!!」


「流れるようなツッコミをあざっす!私はロザリンド=バートンです!あれはミスティアで、お仕置きで縛り上げました!!」


 お仕置きに?


「あのうっかり女神、また何かやらかしたの?」


「またって他にもなんかやらかしてるんですか?実は、本人の許可なく人を誘拐すんなとうちの叔母が色々あって神様と約束したんです」


「うん?」


 ではなんで私は召喚されたわけ?特に意志を確認された覚えはない。召喚された後には確認されたが、誘拐と言ってもおかしくない状況だった。


「なのに、ミスティアが管理する別世界にはいまだに異世界人を勝手に召喚していたと知りまして、お仕置きをしたわけです」


「…納得はできないけど、状況は把握しました」


 変な夢であることはよくわかった。立ち話もなんだからと自室に入ろうとした。


「くるっぽー」





 ドアを閉めた。




 今度は鳩マスク全身タイツガチムチナイスバディで鞭を所持した狂っぽーと鳴くどう見積もっても変態な、多分男がいた。


「どうしたんです?」


「いや、変態鳩マスクが…」


「ああ…」


「……お仲間なの?」


 普通、変態鳩マスクとか言われたら『はぁ?』とわけわからんはずだ。しかし彼女は納得したらしい。


「いやその…知りあい」

「酷いです、ロザリンド様!私は勇者様にお仕えする神の使者!ポッポちゃんと申します!いつか現実でもお会いすることがあるかもしれません!どうぞお見知りおきを!」


「知り合いになりたくありません」


「くるっぽー…」


 鳩マスクなのに悲しげに鳴くなよ。悪かったよ。


「えっと、ポッポちゃんとやらは何をしに来たんです?」


「はっ!大切なことを忘れるところでした。ささ、どうぞ!」


 鞭を渡そうとする変態鳩マスク。頑なに受け取らない私。カダルさんといい、なんで皆して私に鞭を渡したがるんだ。受け取らないよ!?


「くっ…やりますね」


「いや、なんで鞭を渡したいんですか?」


「折檻といえば鞭打ちが基本ではないですか?」


「……それでか。私に女性をいたぶって喜ぶ趣味はありません」


 それを喜びそうなのはカダルさんとかサズドマとか…案外該当者がいるな!


「いいから、縄をほどいてぇぇぇ!!」



「「「あ」」」



 泣き叫ぶミスティアの声で目が覚めた。


「大丈夫か、雪花。ずいぶんうなされていたが…」


「ああ、大丈夫。うん、多分大丈夫?」


 はっきりくっきり覚えているが、とても忘れてしまいたい。存在を抹消したい。

 とりあえず旦那様と息子をもふもふして心の安定を……


「雪花、これは……」





 鞭だった。





 私に嗜虐嗜好があると勘違いしたケビンから、雪花がしたければと言われたが、そんな趣味はない!私はケビンをデロンデロンに甘やかしたいのであっていじめたいわけではないのだ。


 とりあえず、あれは多分夢ではなかったのだろう。いっそ夢にしておきたいが、そん な確信があった。二度と会わないことを願うばかりである。


 追伸・その後ピエトロ君経由でシャカさん達の製作者がロザリンドさんであることを知りました。二度と会わないことを願うばかりである。




「こんばんはー」

「くるっぽー」


「………………………」


 そう願っていたが、ロザリンドさん達はたまに夢で会いに来るようになった。出会いは衝撃的だったが、ロザリンドさんは案外まともであったとだけ伝えておく。

これ、なんか本編で続きそうな気がしなくもない。

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