【プロローグ2/2】勇者は大抵馬鹿なもの
筆者が馬鹿だと内容が馬鹿でもわからないので必死だよ?
目を覚ますとそこは真っ暗で、一瞬牢屋かと思った。まぁ起きてすぐに神官っぽいおっちゃん達が来てくれたんですぐに違うってことはわかったけどさ!
そしてさっきの光景になったわけである。
で、今はおっちゃん達が「詳しいことは王の間でお話いたしますので」というもんだからついていったんだけどな?
「よくぞ召喚に応じてくれた、勇者よ」
定番だよな、これ。
王様の第一声は異世界転移系の話で勇者へまず話しかけるテンプレだった。
というか毎度思うんだが、別に召喚に応じたワケじゃ無くて無理矢理来させられてるよな勇者。しかも頼む側なのに上から目線っぽい。
・・・とか文句っぽい事を考えつつも俺は心が熱くなるのを感じた。本当に俺は、勇者として異世界に来たんだ!!
その後も大体テンプレだ。長い説明だったが簡単に纏めれば、まずこの国は祖人族(人間のことらしい)の国で「ヒュヒマトン祖人国」というらしい。召喚した理由は
「魔王が誕生した」
「魔物が元気になって増えた」
「この国戦争中」
「敵を滅ぼして欲しい」
以上。
なんとなくトラップが会話に混ざってそうだ。
「頼む、この国を助けてくれんか?勇者よ」
「悪いと思った奴は倒します」
渋い顔されたので正解?正直頭がいい方じゃ無いからこれが精一杯なんだよなー。
・・・あ、そういや頭が良いといえば一緒に来てるハズのアイツはどうしたんだろう?
起きた時にはいなかったんだけど…聞いてみるか。敬語はよくわからないんだけどなー・・・
「あの、王様。少しよろしいでしょうか?」
「ふむ、何か質問があるのか?遠慮はいらんぞ勇者よ」
「はい。実は召喚された際、もう一人一緒に来たと思うのですが、知りませんか?俺…私と同じ黒い髪で制服…同じ服を着ていたと思うのですが」
「ほう?もう一人とな。…召喚師長アフナ=デントリオール」
「はっ」
王様が名前を呼ぶと、神官っぽい人達の先頭にいた人が声を上げた。
「召喚した後すぐさま儀式場にお迎えに上がりましたが、儀式場の魔法陣の上には勇者様しかいらっしゃいませんでした。また儀式場から人がでた様子や去る人影も見当たらなかった事より察しますに、召喚条件に当てはまらずに弾かれた結果こちらもとより来ていないかもしくは、なんらかの問題により別の所へと召喚されてしまったかと」
「後者の場合はどこに?」
「わかりませぬ。ですが、手応えや結果の様子から見るに後者の可能性は低いかと」
「よくわかった。下がって良い」
「はっ」
どうやら召喚に巻き込まれたものの弾かれて来れなかったらしい。…ということは同郷者無しか。…ホームシックにならないかな。って一応もうひとつ聞きたいことがあったっけ。
「ということだ勇者よ。残念ながらそなたの友は来ておらぬらしい」
「ありがとうございます。もうひとつお聞きしたいことがあるのですが」
「申してみよ」
「元の世界へと帰る手段はあるのでしょうか?私には向こうに残して来た者達がいます。未練もあります。なのでいつかは帰らねばならぬのですが」
「ふむ」
王様がちらりと召喚師長の方を向くと、召喚師長さんが答えてくれた。
「もちろんあります。ですが、魔力の都合上しばらくは使えません」
「しばらくとはどれくらいか」
「このままではあと30年。ですが、記録上の勇者様は強くなられた勇者様自身の魔力を使うことで3年で帰られた方もいらっしゃいます」
「ということだ」
「ありがとうございます」
要は頑張り次第ということらしい。良かった、割と親切な世界だった。帰れないとか良くある話だしなー。
「そういえば、巫女はどうしたのだ」
「巫女様はお力を使い果たし倒れておしまいになられ、今は自室にてお休みいただいております」
「そうか。では十分に休ませてやれ。それと起きた時に、良くやったと伝えておけ」
巫女様?ああ、もしかして例の声の子だろうか。
どうやら召喚成功とともに倒れてしまったらしい。大丈夫なのか?
あとで会う機会もあるかな。異世界の巫女だ、一目くらい見てみたいじゃないか?
それにお姫様とかいるんだろうか?
魔法もあるらしいし、あぁ気になるなことが一杯だ。これからの生活が楽しみだぜ!
…なんか上から呆れたような視線を感じるけど、気の所為だよな?
終わり。次からは主人公パートかな?