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月の輪Memorial!!  作者: Yuki乃
EP03 Audit Committee
18/52

Audit Committee(5)

 ギィィ――――ン!!

 金属同士が激しく擦れる音がする。それもかなりの大音量で廊下に鳴り響いていた。次にカランカランカランッと二つの小さな金属の欠片が床に転がる音がする。

「あれ、痛くない!?」

 ユーは目を開いて確認するが銃弾が命中してはいなかった。銃弾はユーの足元の無残に真二つで歪んだ形、それに切断面は黒く焦げたような色と縞々の後が残っていた。これは無理矢理に高圧な力がかかり切断された証拠だ。

 ユーの目の前には御影先輩が立っていた。鮮やかなコバルトブルー髪が開け放たれた窓からの風でなびいている。手には名刀『(やすり)』が握られている。

 名刀『(やすり)』は『金一文字(かねいちもんじ)』シリーズの12本の刀の一本で、七号にあたる刀、ほとんどの部分がアルミニウム合金でできているため、刀にしてはとてつもなく軽い刀である。

 一瞬の動きで刀は鞘にしなやかな動きで戻っていく。

 ユーは力なくその場に膝を着いた。

「な、何なんだ、あれは!!」

 弾丸切りを見た生徒会執行部の奴らはかなり動揺している。

 御影先輩はゆっくりと歩き近づいていく。

「く、来るな!!」

 前衛は一端再装填(リロード)のため後退し、1年生の取り巻きが『グロッグ17』を乱射する。焦っているせいかまともに狙いが定まっていない。

 飛んで来る銃弾を少ない動きで躱していく。一発たりとも命中しない。

再装填(リロード)に手間取った1年生が前衛とともに後ろに後退した。

2発躱して高速で前進して一瞬でゼロ距離となった。

「このぉーーー!!」

(やすり)抜刀!!」

 御影先輩に向けられた『グロッグ17』が真二つとなり中の部品がバラバラになって床に散らばった。

 すぐに相手もう片方の手で殴りかかるがスッと躱され刀の持ち手で背中を一突きされその場に倒れ込んだ。

「この化け物が!!」

 もう一人も発砲するが銃弾は顔の横を通り過ぎていく。相手はも一度引き金を引こうとしたが、そんな猶予を与えては貰えなかった。

 スパァ―――ン!!と銃がバラバラとなり空中を舞う。

 そしてもう一撃、瞬きをしない内に生徒会執行部の奴に決まったのだ。

「峰撃ちだ」

 その場に腹を抱え込むように倒れ込む。

 次に向けられたのは後退した前衛と1年生だ。

「何ボサッとしてんの? 早く行きなさい!」

 隠れていた前衛を前に出して1年生はかなり後退して『SIG SSG3000』を抱えて膝を着く態勢で構えた。どうやらさっきまでとは一変して余裕がないことが窺える。

「ちょっと待ってください、無理です」

 嫌々出てきた奴らに勝ち目など微塵も無かったのだ。

「雑魚は下がっていろ!!」

 まともに構えず、後ろの1年生の方ちらちら窺っている生徒会執行部の二人は一撃で持っていた銃を切り裂かれ、そのまま蹴り倒した。

「今よ!!」

 後ろで低い態勢で構えていた1年生が発砲した。右は緑色、『強制照準(Force Reticle)』が発動されている。

「その能力は確実に命中させるだけ、躱せないのなら切るのみ!!」

(やすり)抜刀!!」

 ギィィ――――ン!!

 金属が擦れる音と共に銃弾は真二つになりその片割れが大きく逸れて窓ガラスを破壊していった。

「くそ」

 レバーを引き薬莢を排出し再装填(リロード)しようとするが間に合わない。御影先輩はそのまま切り込んだ

 ギィィ――ン!!

 1年生は咄嗟に『SIG SSG3000』を楯にギリギリ受け止めた。

 キリキリッと金属同士が擦れ合う。

 お互いに一歩後退する。それと同時に『SIG SSG3000』を投げつけ来たのだ。

 それを少ない動きで躱すが、1年生はそれと同時に背を向けて第一校舎に脱げていったのだった。

 それを追いかけようとはしなかった。1年生はかなりの足の持ち主のようで、脱兎の如くとはまさにこの事であろう。追いかけようと第一校舎に入ったがそこには誰もいなかったのだ。

それからすぐにユーの元に戻ってためらいもなく自然な仕草で抱きしめたのだ。

「怪我はないかい悠里」

「大丈夫です、ただ力を消耗しただけですから」

 ユーがその場から立とうとしないことを察した御影先輩はユーを軽々とお姫様抱っこで抱え上げたのだ。

「悠里は軽いわね」

「百合趣味は部長だけじゃなかったですか?」

「私は可愛い物は何でも好きだぞ」

 どうやら御影先輩の百合な趣味は可愛い物全体に広がっていたようだ。

 御影先輩たちは第二校舎に移動して風紀委員会の本部行ったがもうすでに誰もいなかった。横の掲示板を見ると、今日は風紀省の方での合同演習があったらしく、全員そっちの方に出払ってしまっていたようだ。

 これで原因が判明した。風紀委員会が出払っている内に厄介者払いを済ませる算段だったようだ。よく作戦が練られていた。まず九戸兄妹が来ないことを知っていたことになる。

 一見いた方が足手まといになるように見えるが彼らは一般生徒つまり能力がない生徒であるので一般生徒への武力行使は許可されていないので逆に楯になるのでこの場合ではかなり役に立つ存在だ。

それに御影先輩が剣術部に出ることもそれに加えて風紀委員会がいないことこの3つが重なったことにより、『EARTH(アース)部』の戦力が低下し、強い所が揃っていても比較的倒しやすくなっていた。

それに加えて生徒会まで絡んできていることを察するに、かなり本気であったと見て間違いないだろう。

 おそらく明日あたりにこのことがばれてドンパチなることだろう。

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