占い
出かける時間が来るまで、居間でのんびりテレビを見ながら過ごす。朝の時間帯は、情報番組がほとんどだ。
『さあ、いってみましょう。気になる今日のあなたの運勢は?』
占いは、特に信じているというわけではないが、自分が当てはまる区分のところは、なんとなく見入ってしまう。
将来のことを正確に予見できる存在は、おそらくこの世にいない。わからないからこそ、かえってソレを知りたいと思うのだろう。未知の領域について興味津々なのは、ワタシも同じだ。
でも、いくら自分にとって未知の領域だからといって、そこを他人の判断で埋めてしまうのはどうかと思うのだ。
占いの結果というものは、タロットカードや筮竹、天体の位置など、道具や自然現象からもたらされた情報を、占い師が読み解くことで得られるものだそうだ。だから、たとえ同じ情報だったとしても、読み取り手が違えば、もたらされる結果は違ってくるという。すべてはインスピレーションや解釈の賜物。コレはあらゆる事象に当てはまる。
たとえば、歴史的事実というものも、大本の事象はひとつでも、解釈などの違いから、その見解はいくつにも別れたりする。教科書の記述がコロコロ変わったり、ひとつの見解で統一できないでいるのがいい例だ。
人の意思が介在する以上、そこに真理・真実などはないのだろう。だから、テレビや新聞、書籍など、メディアを通じて知った事柄も、それが絶対的に正しいなんてことはありえない。
何事も鵜呑みにしたりせず、一歩引いた観点から、ほどほどにしておくのが一番だとワタシは思うのだ。
ピッ。
「姉ちゃん……。勝手にチャンネル変えるなよ。いくら自分の星座が最下位だったからって……」