●運命の恋人症候群
舞台は近未来
世界中でとある正体不明の奇病が蔓延していた
その奇病は、Lover of fortune syndrome(Lofs)とよばれ、致死率0%だが、どんな病気よりも恐れられている
Lofsの症状は三段階ある
一段階は食欲不振、微熱などの風邪の初期症状に酷似している
二段階は異常食欲、火の通ったものが食べられなくなる、紫外線に弱くなる、目の色素が抜け落ち赤目になる、筋繊維の変質によって怪力化
三段階は骨格の異常発達、肩甲骨の異常変化と皮膜化、筋力の増加、固形物を胃が受け付けなくなる、理性の消滅など
この段階に至ると、凸凹のでたらめな骨格に異常な皮膜状の翼から、デモニアックとよばれ、生き血を求める怪物として問答無用で殺処分にされる
ワクチンどころか原因すらわからないこの奇病の特効薬は一つだけ
それは、感染者の対となる因子を持った別の感染者の体液だった
対の因子を持つ者同士は必ず異性であることしかわからないため、対因子保持者を探すこと自体が非常に困難
しかも、その特効薬も完全な治療薬ではなく
「一段階もしくは二段階時に摂取していれば、三段階目でも理性がなくならない」
「理性ある三段階ならば二段階にまで引き戻せる」
だけのもの
そのため一般社会に戻ることは不可能で、デモニアックを処分するLoversとして国家に飼われる
二段階目の感染者である主人公は、感染者だけを集めた「恋人たちの庭園」という隔離施設に収容される
三段階目になるまでの残された短い期間で、果して主人公は運命の恋人を見つけられるのだろうか
○キャラクター
・主人公
両親がデモニアックとなり、目の前でLoversの手で殺処分されたことがトラウマ
両親と同じデモニアックになり処分されるか、対因子保持者を見つけてLoversとなり両親と同じデモニアックを殺すか
絶対の二択に絶望しているが、死ぬ勇気もなく、対因子保持者を探すことをせずに日々を淡々と過ごしている
・ヒロイン
色素の薄い茶髪に二段階目の赤目の美少女
活発で明るいが、異常と思えるほどの意欲で対因子保持者を探している
庭園の外にたった一人の家族である弟を残してきており、そのため必死になっている