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○浦島花乃物語

浦島花乃の家には豪華な螺鈿の箱が代々つたわっている

なんでも浦島太郎の昔話に出てくる玉手箱で、花乃一家は浦島太郎の子孫らしい

馬鹿馬鹿しい、地上に帰った太郎は直ぐに玉手箱を開けてしまい老化して死んだんだ、子孫なんかいるはずない、浦島太郎なんてただのお伽話だ

そう考えていた花乃は美しい箱をお弁当箱として使っていた


ある朝海岸近くの道を登校していた花乃は、海岸に倒れている青年を見つける

慌てて駆け寄ると、青年はどうやら二日食べていないらしい

ぷるぷる震える青年が憐れなことや、花乃好みの派手めな美形だったこともありお弁当をわけてあげることに

しかし花乃がお弁当箱を差し出した途端、青年は感極まったように泣き出して花乃を抱きしめる

「会いたかったよ花子さん!!」

と叫びながら

変質者かと思ったが、青年の瞳は澄んでおり、花乃への愛情と再会の喜びだけが溢れていた


とりあえず恥ずかしいので引きはがして事情を聞くと、青年は乙彦と名乗った

いじめっ子から亀を助けたことで竜宮に招かれた心優しい花子と僕は恋におちたんだ…頬を染めて乙彦はうっとりと語るが花乃には覚えはない、というよりこれは浦島太郎のお話…?

浦島太郎と同じように、故郷に帰る花子に乙彦は玉手箱を渡した

物語とは違い、玉手箱には花子の老いを封じてあるから、決して開けずにいてほしいというきちんとした説明と、今は竜宮から出られないが、どれだけ時間がかかろうときっと迎えに行くだけの力をためるから、再会したら僕と死ぬまで一緒にいてほしいというプロポーズとともに


そして言葉どおり乙彦は竜宮を出て地上で暮らせるくらいの力をつけて、花子を迎えに来た


私は花子じゃないと何度否定しても乙彦は花乃を花子と呼ぶ

人間にはあまりに長すぎる時間が記憶を失わせたんだとかなんとか理屈をつけて聞く耳を持たない

そして押しかけ婿よろしく浦島家に居候する乙彦

花乃を花子と思い込んで求婚する乙彦に、次第に花乃は惹かれていく

しかし乙彦は花子以外を見ていない



前置き長いがこんな感じで、一歩間違えればストーカーなくらいの愛情を情熱的に注いでくる乙彦と、身代わりにされてると理解していてもどうしようもなく惹かれていく花乃の攻防戦


○キャラクター

・浦島花乃

主人公

色気より食い気のスポーツ少女

胸はないが引き締まったお尻と太ももはなかなかのもの

お人よしで頼られると拒否出来ない

・乙彦

竜宮の王子様

派手めの美形

亀を助けた優しい乙女花子と恋に落ちたが、竜宮から出るだけの力がないので、帰りたがった花子に玉手箱を渡して待っていてもらおうとした

愛情ぶかく、その分執着心も凄まじい粘着質、しかしバカっぽいくらい明るいのでそうは見えない

手がはやい

・海松

乙彦を追ってきた竜宮の侍従

堅物眼鏡

元は弱い海藻の精だったのが乙彦に拾われて生きながらえ、力をつけてここまで出世した

乙彦を神聖視しており、花乃を「乙彦をたぶらかした毒婦」と蔑む

思い込みが激しいムッツリスケベ

・六角

花子に助けられた亀

ぽやーっとしたショタジジイ

口調が完全におじいちゃん、しかもティの発音ができなくてパーティをパーチーと言ったり

しかし精神は意外に若々しく、中身はギャルの大好きなショタおっさん

都合が悪くなると耳が遠いふりをする

・花子

乙彦と恋に落ちた心優しい乙女

花乃と瓜二つだが花子の方が若干女らしい

花子が竜宮を去ったのは、高貴な乙彦と自分が釣り合わないと思って身をひいたから

地上に戻った花子は一人の赤子を産み、子を育て上げた後玉手箱を開けて塵になった

実はその赤子が乙彦との子で花乃の先祖

花子が乙彦を待たずに玉手箱を開けたのは人として命を全うしたかったから

お弁当箱にされている玉手箱に花子の残留思念がやどっている

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