●俺は俺より弱い女を探しに行く!!!
勘違いハーレムな中華風ファンタジー
昔々あるところに武を司る女神がおりました
類い稀なる武力、一軍を率いる統率力、少数で大軍団を退ける知略
そんな女神の血を引く女系一族がくらす里が、ひっそりと山深い秘境にありました
主人公は、その一族の中でも色濃く女神の血を継いだ直系であり…ただ一人の男でした
周りを見渡せば、小指どころか手も触れずに自分を倒せる女傑ばかり
お土産に熊とってきたよと可憐な笑顔で熊を差し出す幼なじみ
綺麗な花が咲いてたーと猛虎の縄張りから悠々花を摘んで帰還した四歳の妹
その兵法書私五歳のとき読んだなー懐かしいと笑う年子の姉
強い祖母、強い母、強い姉、強い妹、エトセトラエトセトラ
熊には勝てず、猛虎をあしらうことも出来ず、年子の姉が五歳で読み解いた兵法書を十六になっても理解出来ない主人公の心は打ちのめされていた
彼の心を支えたのは、里に入り婿で入ってきた一族外男子たちの話に出てくる、箸より重いものは持てないようなたおやめたち…
彼らの話を聞く度主人公は夢を膨らませていった
自分より弱い女ならば、自分にでも守れるかもしれない
主人公は、好きになった女くらい自分の手で守ってやりたいといつも願っていたのだった
本当は淡い恋心を抱いていた幼なじみに頼られたり、守ったりしたかった主人公
しかし現実は非情、いつも彼女を頼り守られてばかりだった
「俺は俺より弱い女を探しに行く!」
そう決意して里を出奔した主人公
町にたどり着いた主人公は、悪漢に絡まれて怯えている可愛らしい少女を見つけ、助けようとした…が、しかし怯えていた少女は主人公が近付いた途端見た目に似合わない剛力で悪漢を呆気なくのしてしまった
少女は突然湧いた力に驚いているようだったが、主人公は動揺でそれに気付くことも出来ない
里の女たちと同じだ…主人公は真っ青になる
それもそのはず
主人公は知らないことだが、先に述べた一族の祖神である武神の能力は、むしろ能力ではなく性質に近い
本来はこの能力こそが、女神を武神たらしめているものだった
それは
「物理的な意味で、もしくは精神的な意味で距離の近い異性の能力を驚異的なまでに引き上げる」
というものだった
武神が助力した軍が必ず勝利するのは、この能力あってのこと
一族の女たちには武神の性質である驚異的な武力が、一代に一人だけ生まれる男子には武神の能力である異性強化が発現する
その能力によって、主人公が近付く女は一族の女クラスに強化され、結果として主人公が夢見る自分より弱い女は存在しなくなる
おまけに、主人公と相思相愛になり結ばれた女は、一族どころか祖神である武神クラスまで強化される
それでも真相を知らない主人公は旅を続ける、自分より弱い女を探すため…
○キャラクター
・主人公
幼い頃から最強の女たちに囲まれた+幼なじみで初恋の女の子に姫だっこされたせいで強い女恐怖症でコンプレックス持ち
美女でなくてもいい、賢くなくてもいい、ただ普通の恋人たちのように男は女を守り、女は男を癒す関係になりたい、というのが夢
女を守りたいという強い願いは、病弱だった幼なじみを守りたいという想いからきている
だが本人は全く気づいていない
・幼なじみ
幼い頃は一族の血がかなり薄いため病弱だったが、主人公と知り合った頃からメキメキと強くなり、現在一族最強の女
実はその強さの秘密は、主人公の異性強化の力を受けたため
主人公に避けられだしても未だ最強なのは、認めようとはしないけど主人公が今もまだ彼女を好きだから
主人公に積極的に迫るが、逃げられている