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第24話 転校生+αの闇が深い? 中編

 色々と考えたんです。

 白雪さんにもなにか逼迫(ひっぱく)した事情があって、すがるような思いで相談しようとしているのではないか、とか。

 ちゃんと寄り添ってあげるべきなのかな、とか。

 

 まあ、でも。

 突然、親を殺したい、と言ってしまう人間が相手なのですから、無礼もなにもないですよね。

 


「なんで親殺しを頼みたいんですか?」



 たぶん、わたしは怒っているのだと思います。

 お腹の奥底が重くて、火傷みたいにじわじわと熱くなっていく。

 


「えっと……あなたに話す必要、あるのかな?」

「一度聞いてしまった以上、見過ごせないんですよ。ポロリと話してしまった、あなたのせいです」

「うーん。そうかなぁ」

「それに、わたしは彼の仕事を手伝っています。毎日、彼と一緒に学校中を奔走しているんですよ」

「あ、そうなんだー。早く言ってくれればいいのにー」



 まあ、嘘なんですけど。

 白雪さんは今日転校してきたばかりなので、わたしが昨日まで不登校だったことも知らないでしょうし。


 こんな頭脳戦ができるなんて、我ながら驚きです。

 きっと推理ゲームのプレイ経験が生きたのでしょう。



「それで、父親を殺してほしい、とはどういうことなんですか?」

「すみません。ちょっと言い方が悪かったかも。ボクが父親を殺す手伝いをしてほしいんだ」

「自分の手で殺したいんですか? よっぽど憎んでいるんですね」

「……ちょっと違う。狼男の成人の儀ってやつ。パパがボクを本気で襲ってくるから、返り討ちにしないといけないんだ」



 かなり野蛮ですね。

 どこの未開の地の部族ですか。

 


「成人の儀なら、ひとりで乗り越えないといけないのでは?」

「えっと……そうなんだ、けど……。予想外のことが起きちゃって」

「わたしは御手くんに、殺しの加担をしてほしくないんですよ」



 パパは忍者の仕事として殺しをしてしまったことがあるらしいです。

 そのせいで、苦しんでいるのを間近で見てきました。

 その心を癒すために、無茶をするママも。


 本当に最悪な気分なんですよ。

 


「えっと、聞いていいのかな。なんで、そんなに島田くんを気にかけているの?」

「許婚ですから」

「島田くんが好きなの?」

「好きですよ」

「……すごい。随分とはっきり言うんだ」



 白雪さん相手には、はっきりと言わないといけない気がしたのです。

 本人の前で言える気はしませんが。


 

「あなたは御手くんをどう思っているんですか?」

「変な人だなぁ、とは思ってるけど……」

「……同意見です」



 いつもいつも彼の奇行には辟易させられています。ですが、この時ばかりは感謝です。


 ……ん?

 突然、嫌な予感――


 何か、重大な危機が迫ってくる前のような。



「つきよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」



 え、え、え!?

 突然半裸のおじさんが窓ガラスを割って入ってきたんですけど!?!?


 突拍子もないギャグで押し切るタイプのエロ同人誌展開ですか!?



「パ、パパっ!」



 え、白雪さんの父親!?


 

「な、なんだか、我を失っていませんかっ!?」

「そ、そうなんだっ! 何かがあって暴走しててっ! だから、なんとかしたくて……殺すしかないかなって……!」



 いや、かわいい顔をして、野蛮な思考をしてますね!?

 それにしても、この状況はどうしましょうか。


 明らかに止まる気配はないですし、実力行使しかなさそうですよね。



「あ〜〜。御手くん、眠ってますよね」



 子供みたいな寝顔で、スヤスヤしています。

 こんな状況でも起きないなんて、すさまじい。

 でも、わたしのお腹を見ただけでこんなに熟睡してるんですよね……。



「……ふふ」

 


 しょうがないですね。

 ここは一肌脱ぐとしましょう。


 まあ、一肌脱いでも透明なんですけど。

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