表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/19

第14話 あかなめのパーフェクトムチムチ教室 後編

「俺のフェチに興味があるのか……?」

「ああ、そうだ。知りたくて仕方がない」

「島田……お前……何を言ってるんだ……?」



 なぜそんなドン引きした顔をしている。

 俺は大真面目だぞ。



「あ、ああ。もしかして、朝の話か? お前の許婚について」

「そうだ。それしかないだろう」

「なんだ~~~。驚かせんなよ~~~」



 こいつは何を勘違いしたのだ?

 まあ、いい。昼休みの時間もあまり多くない。



「それなら、オレの彼女が一緒にいた方が都合がいいだろ?」

「いいのか?」

「お前なら構わないさ。なにせ、」

「俺は大したことはなにもしていない」

「何を言ってるんだよ。オレがあかなめ衝動で苦労している時、お前は手助けしてくれただろ」



 ただ、昔はあかなめの捕獲用に使われていた装置を改良して、渡しただけである。



「それぐらい当然の行為だ。俺は陰陽師としての役目を果たしただけに過ぎない」

「そうだしとしても、だ。オレはお前に少しでも恩返ししたいんだ」

「不要なのだが」



 なにをそんなに渋い顔をする。

 そちらから見れば、一方的に都合のいい話ではないか。


 

「お前なぁ……こういう時は素直に受け取った方がいい」。お互いに楽なんだぞ」

「なぜだ」

「貸し借りってのは、すぐに清算したくなるものなんだ」

「そういうものなのか」

「そういうものだ」



 たしかに、相手の気持ちを無下にするというのは失礼にあたるか。



「……ふむ。了解した」

「じゃあ、放課後集合な」



 ふむ。

 これで俺はムチムチの魅力について何か気付けるだろうか。


 正直、少し楽しみな気持ちがあるのだ。





 

 放課後。

 俺は千口に連れられて、学校の中庭に来た。



「あ、こんにちはー!!」



 手を目いっぱいに振っていて、とても快活な女性だ。

 見ているだけでも気持ちがいい。


 そして、体型はかなりのインパクトを誇っている。紙透明麻絵にも負けていないだろう。

 太っているという訳ではないが、胸と尻がはっきりと出ているといった感じだ。

 

 

「あなたが千口の恋人か」

「そうよ~~~」

「いつも、千口にはお世話になっている」

「こちらこそ、いつもうちの彼氏がお世話になってます~~~」



 とても礼儀正しくて、好印象である。

 千口はよい恋人を持ったものだ。



「……おい、やめてくれ」

「何言ってるの。挨拶は大事でしょうに」

「それぐらい、俺もできるし」

「そんなん言っても、いつもいつもウチが言わないと何もしないでしょ」

「……そんなことないから」

「へ~~~。見たことないんだけどなー」



 うむ。

 とてもしっかりした

 


「随分と仲がいいな」

「そりゃあ、幼馴染だもん!」

「ちょっ、それは皆には内緒って……」

「今更隠すことでもないでしょ。大体、あんたは何でもかんでも隠そうとして……。少しぐらいは周囲に。もう付き合って1年にもなるし、周りはみんな知っているのに、今更恥ずかしがることなんて――」

「わかったわかった、わかったって!!!」



 完全に尻に敷かれているな。

 すでにおしどり夫婦のようにみえて、大変ほほえましい。

 


「突然『オレはあかなめなんだ』なんてカミングアウトされた時は驚いたけど、

「も、もう……そのぐらい……」

「昔からちょっとおかしいなー、なんかウチの指とかよく舐めてたなー、って思ってたけど、それぐらいのことを気にするなんて、もうかわいいったら――」

「もういっそ、オレを殺してくれぇ……」



 これぞ美しい愛だな。

 しかし、ノロケ話を聞いているだけになってしまっているな。



「それで、千口。彼女の肉体のどこが好きなのだ?」

「この流れでよくその質問ができるな!?」



 流れと言われても、それを聞くためにここにいるのだが。



「よろしく頼む」

「……わぁったよ」

「うちも聞きたいわー」



 千口、どこか自信満々な顔をしているな。

 もしや、彼女を褒めちぎって、立場を逆転させようとしているのか?



「えっと、まずはやっぱりムチムチなところだよな。この良さがわかる男は多くないだろうなー」

「ふむふむ」

「えっと、メモを取らないでくれないか……?」



 はて。



「なぜだ? せっかく話してくれるんだ。一語一句無駄にしたくない」

「俺としては、恥ずかしいんだけど……」

「あ、そのメモのコピー、あとでウチにももらえます?」

「了解した」

「ちょっとっ!?!?」



 たしかに、女性が恋人からの評価を気にするのは当然だ。

 これは一層手を抜けない。

 千口の一言一句を逃さず(しる)してみせよう。



「それで、ムチムチだとどこがいいのだ?」

「えっと……触ってるとすごく柔らかくて……感触に癒されるし、いくら触っても舐めても飽きないっていうか、好きな人の色々が大きいと、世界がちょっと好きになるというか……。大きいのは安定感があっていいし。あと、舐める範囲が大きいのが最高です……はい」

「ふーん、そう思ってたんだー」

「ふむふむ。大変参考になる」

「……もう殺してくれぇ」



 舐める範囲が多いと嬉しいという感覚は、あかなめ特有のものだろうか。

 女体を舐め回したいという気持ちは非常に理解できる。

 俺も理想の女性に出会えた(あかつき)には、指先からうなじに至るまで舐めつくして、相手の形状も味も、全てを記憶したい。

 たしかに舐めるという観点で言えば、女性の表面積が多い方がいいというのは非常に合理的である。

 ……なるほど。なんとなくつかめてきた気がするぞ。



「2人とも、感謝する」



 む?

 この雰囲気は――



「それで、ウチのおっぱいとお尻、どっちが好き?」

「……どっちもだよ」

「ふーん、おっぱいを舐めている時の方が必死だから、おっぱいの方が好きだと思ってたけど」

「……はい、その通りです」

「そんなにウチの体が好きなの?」

「…………はい」

「……じゃあ、今日ウチの家に来る?」

「………………はい」

 


 これ以上はお邪魔になってしまうな。

 俺は恋に敏感で、空気が読める男である。


 さて、家に帰ってからはどうしたものだろうか。

 とりあえず、紙透明麻絵から不登校になった理由を聞きださねばならぬ。


 しかし、この時は予想もしていなかったのだ。


 彼女が自分自身を亀甲縛りにして、玄関で待ち受けていることなど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ