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第5章・初クエスト、いざ掃除へ・

 さて、いよいよ今日は初のクエストの日だ。

昨日あれから、武器を考えたが手持ちのお金も無いしお城の物は申し訳ないくて使えない。

魔物が出たらホウキを武器にさせてもらうとするか。

俺の装備はマスク(布を巻いただけ)と長靴、掃除道具だけだ。

準備も出来たしチャチャっと掃除して来ますか!

 指定された街の中央のマンホールから地下に降りて行き、南側へ1区画だったよな。

東西南北に4つの通路がありそれぞれ分かれ道になっている。俺は南の入り口から掃除を始めた。

しばらく誰も入っていないのだろう。すごく汚い・・・これで銅貨4枚はきついよなぁ。

でも仕事があるし、色んな仕事ができるから良しとしよう。

 けど、どう掃除したものか?ホウキとスコップだけだしな、通路はホウキでゴミを集めるとして問題は水路だよな。考え込んでいると奥の方から物音が聞こえる。

「何の音だろう?」

 あかりを奥に向け様子をみると数匹はいるであろう、ネズミの魔物が現れた。現世のネズミの3倍ぐらいの大きさだった。

「ウゲーまじか!」

武器にスコップを使って、野球のスイングのように思い切り打った。2匹の魔物は水路に落ちていき細かな光を放ちながら消えていった。

どうやら倒せたようだ。

「そういえばミラファさんも言ってたな、あまり強い魔物じゃ無いって。」

今度は3匹同時に俺に襲いかかってきた。真ん中の魔物に今度は剣道の面打ちを喰らわせ、振り向きざまに横へ薙ぎ払った。

子供の頃に剣道を習っていて助かった。これで魔物は退治できたみたいだ。

「レベルが上がりました。スキル『剣技』を取得しました。」

なるほど、経験値でレベルが上がったのだな。スキルも剣技か!ステータスを見てみるか。

「ステータス、オープン。」

どれどれ?レベルが2になって、スキルはレベル1か。スキルも熟練度でレベルが上がりそうだな。

よし、さっさと掃除の続きだ。足元にキラリと何かが光った。

落ちていたのは、どうやら魔石のような物だった。拾ってカバンにしまう。

 まず俺は、通路を先にホウキで掃除することにした。水路の掃除方法を考えながら、作業を進める。

そう言えば、アーシャは水竜だったな?てことは水の魔法とか使えるんじゃ無いか?

そんな事を考えながら黙々と作業をし、ようやく通路の終盤に差し掛かった時、大きな塊が天井にぶら下がっていた。

「何?あれ・・・」

明かりをゆっくり照らすと今度はコウモリの魔物がぶら下がっていた。

大きさは人間の大人ほどはありそうだ。

魔物が明かりに気付き、羽を広げて威嚇してきた!大きさはかなり大きい!

けど、戦うしかない。まっすぐ俺に向かってくる!スコップの先を向け、突き刺そうと構える。

しかし、上に交わされてしまった。体制を立て直しさらに向かってくる!今度はジャンプして魔物の攻撃を避け、上から叩きつけた。ダメージは喰らっているがまだ倒せそうに無い。翼で攻撃を受けてしまい、俺は吹き飛んだ。結構重い一撃だ。容赦無く次の攻撃がくる!やばい!

 その時、頭の中からアーシャの声が聞こえてきた。

「アキラ!右手を奴に向けてバブルスピアって叫んで!」 

 アーシャの言う通りにやってみた。

「バブルスピア!」

すると、無数の泡が出て来て、鋭く尖り始めた。勢い良く魔物に突き刺さり、倒す事ができた。

「レベルが上がりました。スキル、『水属性魔法』を入手しました。」

なぜ俺が魔法を取得したんだ?アーシャが魔法を使ってくれたのでは?

アーシャとリンク状態であれば、アーシャの魔法を使えるのか?

それなら、俺に魔力が少なくても魔法が使えるって事か。加護ってスゲーな。

「さて、魔石も拾ったし水路の掃除に取り掛かるとするか。」

俺は中央に戻り、水路の掃除をどうやるか考えた。さっきの戦いでアーシャの魔法が使えたって事は出来るのでは?現世でお馴染みのケ⚪︎ヒャー的な高圧ジェット!!

「アーシャ!頼みがあるのだが。水魔法で勢い良く水を出す魔法は使えるか?」

 アーシャは少し考えて閃いたかのように答えた。

「バブルトルネードかな。言ってみて!」

 俺は水路の中央に立ち、腕を前に構えて集中した。イメージを固めてバブルトルネードと唱えてみた。 

すると、通路全体を泡が螺旋状に回りながら勢い良く放たれた。

あっという間に水路がキレイになり今回の任務は終了した。

 地上に上がり、清々しい空気を吸い込みひと息ついた。初めての依頼を達成し、充実感を得てギルドへと報告に向かった。

「こんにちは、ミラファさん!」

「こんにちは、アキラさん。依頼はどうでしたか?」

俺は、ミラファに魔物の存在と掃除の内容を詳しく報告した。

「そうでしたか、コウモリの魔物は普段そんなに大きな個体は聞いた事がないです・・・それにネズミの魔物も大きくなってるなんて・・・。これはギルド長にもお伝えしておきますね。」

何か巻き込まれそうな感じだったので用を済まして早く引き上げよう。

「倒した魔物の魔石を買取お願いしたいですが、良いですか?」

ミラファに伝え、コウモリの魔石とネズミの魔石を出した。

「この魔石の大きさは!ちょっと待ってて下さい!」

ミラファがそう言って、2階へ向かった。しばらくして、ミラファが降りて来た。

「一緒に来てもらえますか?」

そう言うと、俺を2階に案内した。

 扉を開け、部屋に通されるとそこにはギルドマスターと呼ばれる男が立っていた。

「俺はここでギルドマスターをしているアルマってもんだ!まずは座ってくれ。」

アルマに促され俺は席につき、話を聞いた。

「私はアキラと言います。一体何事でしょうか?」

「今回の任務での報告にあった魔物だが、通常とはかなり異なる大きさだ。それに群れで行動しているとの報告もあり何か起きているかもしれない。魔石の大きさについてだが、魔石の大きさは魔物の強さに応じて決まる。今回のコウモリの魔石は通常なら、これの半分以下の大きさだがコレは異常だ。魔物のランクで言うとDランク相当だ。」

 そうだったのか、流石にアーシャの助けがなければかなりヤバかったな。

「初めての事でよく分かりませんが、結構危なかったです。」

今になってようやく実感した。Fランク冒険者でしかも初めてのギルドでDランクモンスターを倒して帰って来たのだ。それは驚くだろう。

「魔石の買取と報酬を渡そう。金貨3枚と銅貨20枚だ。」

まだ、コインの価値が分からないが受けとっておこう。アーシャに服とご飯を食べさせないとな。

ほとんどアーシャの働きだし。

「では、俺はこれで。またお願いします。」

そう言うと報酬を受け取り、ギルドを後にした。

アルマは俺たちの存在を隠すようミラファに伝え、手放さないように指示をした。

家に帰りながら服屋によりアーシャの服を買って、残りで二人分のご飯を買って家に帰った。

早速、アーシャとご飯を食べて服を着させてあげた。アーシャはとても嬉しそうに喜んでいる。

さて、明日は武器屋にでも行って装備品を見てみるとするか。

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