第4章・異世界ギルド登録・
住む所もリリスのご好意で手に入った。ここからはギルドの依頼をこなして何か恩返しをしないとだな。
とは、言ったものの言葉を覚えないと流石にきつい。あれから、時々ではあるがメイドのセシルさんが色々教えてくれたおかげもあり、少しは会話が出来るようになった。
まだまだこれからではあるが、ひとまずは何とかなるだろう。
これから、ギルドへ登録していよいよ初クエストだ。どんな所か分からないが現世で見た異世界と同じなら基本的には心配ないだろう。
冒険者ギルドに到着して、扉を開けた。その風景は現世で見たアニメのままの光景だった。
受付嬢は獣人族の猫耳をした女の子だった。早速受付に行き登録をしてもらおう。
「ようこそ!冒険者ギルドへ。本日はどの様なご用件ですか?」
感動に浸りながら、覚えたての言葉で話した。
「冒険者登録をお願いします。」
何度もアニメでみた場面だ。
「それでは、こちらに記入してもらってからステータスを登録しますね。」
???やっぱりステータスだよね?あれから何度やっても全然出てこないし、やり方があるのかな?
ここは聞いてみるとするか。
「あの、ステータスはどうすれば見れるのですか?」
受付嬢に尋ねた。
「ステータスを見るには強く念じて心の中で唱えるのです。もしくは、私のように『調閲』のスキルがあれば人のスキルや習得物を調べる事ができます。」
なるほど、そもそもが間違っていたんだな。あれは恥ずかしい・・・
しかし、その『調閲』のスキルはどうやったら手に入るのか。とても便利そうだ。
「ではステータスを登録しますので見てみますね。」
俺のステータスを見て驚いている。やはり凡人以下なのか?冒険者になるのは厳しいとか?
「コホン。え〜っと失礼しました。スキルは『念話』と『水竜の加護』の2つです。加護をお持ちでとても驚いてしまいました。しかし、魔力量が少なすぎてこれでは初級魔法しか扱えず、3回ぐらい使うと魔力切れで動けなくなってしまいます。」
そうなの?けどレベルが上がったら魔力って増えるんじゃないの?
「レベルが上がれば魔力は増えるのでは?」
恐る恐る聞いた。
「魔力は生まれ持ってのものですので、レベルが上がっても増えると言うものでは無いのです。」
そうなのか、でも冒険をする訳でも無いし俺はランクの低い依頼をコツコツこなして
自由に生きるのが目的だからな。
「登録は以上になります。ランクは一番したのFランクからになります。何か受注してみますか?」
依頼掲示板を見にってみた。
『薬草採取』に『下水道の掃除』後はの『荷物運び』とか色々あるみたいだ。
どれにしようか?まずは『下水道の掃除』でもやってみるか。
「それでは、下水道の掃除をして来ます。」
受付嬢に伝えて説明を受けた。
「かしこまりました。下水道の掃除は街の中央から南の通路になります。1区画のみで報酬は銅貨5枚です。ギルドへは銅貨1枚受注費を頂きます。クエスト完了後に差し引き分をお渡しいたしますね。
あっ!自己紹介がまだでしたね。私はミラファと申します。よろしくお願いしますね。
それと冒険者ギルド証になります。」
ミラファから説明を受け、ギルド証と掃除道具を受け取った。
「下水道は魔力が溜まりやすく魔物もいますのでくれぐれも注意してくださいね。
武器の装備をお勧めします。」
ミラファにアドバイスを受けたが、来たばかりで武器を買うお金もない・・・
武器か・・・何か考えないとだな。
「分かりました。ありがとうございます。それでは明日行ってきます。」
ミラファに伝え、ギルドを後にした。
俺が出て少し経ったギルドに慌てた様子の冒険者が勢いよく入ってきてミラファに伝える。
「おい!ミラファ!!街の外の排水場に魔物の群れがいたぞ!数もまだ少ないし低レベルの魔物だから駆除しといてやったが、まだ数匹残ってるかも知れないぞ。」
冒険者がミラファにそう伝えた。
「情報ありがとうございます。明日、新人さんが下水道の掃除を受けてくれましたので大丈夫かと思います。武器の携帯をお勧めしましたので。」
そう言ったものの、何か少し嫌な予感を感じていたミラファだった。