表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
化け猫の転生恩返し 外伝  作者: 日向彼方
第壱章
9/17

祖母

 寝坊した!

《朝ご飯だけは皆で一緒に》がお婆ちゃんちの決め事だ。

初めてお婆ちゃんに起こされてしまった。

慌てて制服に着替えて階下の食堂に急ぐ。

知子お婆ちゃんと智寿子おばさんが席に座って待っている。

家政婦さんがご飯の用意をしてくれる。

「寝坊なんて珍しいわね」

「疲れがでてきたんじゃない?」

二人が心配している。

俺は頭をペコリとさげお味噌汁を頂く。

三人しかいないのに、この家は無駄に広すぎる。

どれだけの部屋があるのか数えたこともない。

二人いる家政婦は隣の離れに住んでいるし、智寿子おばさんの息子・(れい)(せん)さんは仕事が忙しいらしく半年に一度しかこの家に顔を出さない。

隣の離れから「行ってきます」と声がする。

家政婦二人とももシングルマザーで、その娘の声だ。

家政婦の一人和子さんは中高校生の娘が二人いて、顔は出さないが、挨拶だけはするようだ。

あっ!苗字を訊いたことがなかった。

もう一人の里美さんは五歳の息子が一人いて、保育園に行くために母屋にやって来る。

「おばちゃん、おにいさんおはようございます」

辿々(たどたど)しい挨拶が可愛い。

「連れて行ってきます」と里美さんが自転車で出ていく。

自分もそうだったからと智寿子おばさんがシングルマザーの人を優先的に雇っている。

勿論、家事特に料理が出来る人が条件ではある。


俺はご飯をかきこみながら席を立つ。

自転車で二十五分、ギリギリで大丈夫だ。

「雨降りそうだから車使いなさい」

「甘やかさないでいいよ」

「ところで学校の部活とかは?」

祖母の突然の問いに俺は動揺する。

「部活はしない。倶楽部はカメラ倶楽部かな?」

誤魔化す。

絶対にミステリー倶楽部などとは発言できない。

お婆ちゃんは不思議が大嫌いなのである。

俺は不思議の塊なのに……


読んで頂き有り難うございます。

感想等いただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ