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化け猫の転生恩返し 外伝  作者: 日向彼方
第壱章
3/17

実家

 朝、『おはよう』と猫なで声で挨拶してくるのは、”ロウ“と言う名の化け猫である。

見た目は短尾の三毛猫。ただ右眼に刀傷のある隻眼の猫だ。

勿論、妖の化け猫であるが、悪霊を消す時に紅き右眼を開き我々を助けてくれる。

江戸時代末期にうちの祖先(千部本)に助けられたらしく、『末代まで恩を返す』と言ったらしい。

呪われなくて良かった。

今のところ五年から四〇年位の間隔で転生を繰り返し、その度に新しい主人(あるじ)に名をもらっている。

今は弟の桜珠(おうじゅ)が主人になっているが、一年程前までは俺が主人で“九重郎(くじゅうろう)”という名前だった。

“縁の糸”が切れた時の寂しい気持ちをお互いが持っている。


 昨日入学式だったので、俺は制服姿を見せに実家に帰っていたのだった。

今は隣県の祖母の家に間借りして高校に通っている。

母方の祖母は離婚し陰陽師宗家の倉橋家とはもう縁を切っている。

また祖母の両親も兄も他界しているので、今は親友で兄の嫁となった登喜子さんと二人で暮らしている。

かなりの財産家らしく、かなり広い屋敷だ。

祖母の家には今でも運転手と家政婦がいる。

そこに間借りして、時々実家に帰る暮らしを俺は選択した。


一晩実家に泊まって今朝は九重郎ではなく……ロウが僕を学校まで送ってくれるらしい。

化け猫に変化し空を駆ければ一瞬だ。


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