嘘恋
拝啓
あの時の自分へ
君はきっとどちらを選んでも後悔をしたよ
君はきっとどちらを選んでも涙を流したよ
だから、ただ自分を許せるだけの葛藤を
ただあの人を幸せにするだけの決断を
たった一つの嘘を織り交ぜて
あの時君が守りたかったのは彼女ではない
君が大切にしたかったのは美しい思い出ではない
君は不確実な未来を恐れただけだ
君は約束された将来を願っただけだ
未知なる刺激に飢えた臆病者
それが君だ
どうか君が君を分かりますように
どうかあの人が幸せでありますように
敬具