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今日はツイていない

作者: ゅぅ

この作品は10年ほど前にに作成したお話ですので、当時を思い出して(若い方は想像して)読んで頂けたらと思いますm(__)m

薄暗い部屋の中で薄目を開けて時計を見る。

時刻はAM8時30分。

"飛び起きる"とは正に、今の私そのものだと思いつつ、支度を急ぐ。


「もう、今日はスッピンだ」と呟き、伊達メガネを掛けて上着を羽織り、携帯を上着のポケットに突っ込んだ。


若干ポケットから顔を出した携帯が気になり、更に奥へと押し込む。

鞄の中身を確認し、いざ玄関ドアを開けるとザァーという轟音と共に、雨の日特有の匂いが私を出迎えた。


「今日の占いカウントダウンは12位だったかも…」

と私は苦笑いしながら、傘を開き小走りで駐輪場へと向かう。


いつもは大学まで自転車で10分だが、この雨の中の傘差し運転ではどの位かかるだろう。


自転車に跨る前に、携帯で時間を確認する。

時刻は8時40分になるところだ。


「…充電するの忘れた」

と呟きながら携帯をポケットに入れ、降りしきる雨の中ペダルを踏む。


走り出すと、羽織っただけの上着がバサバサと羽ばたいた。

信号待ちを利用してチャックを閉め、再度走り出す。


何とかずぶ濡れを免れ大学に着き、時間を確認しようとポケットに探ると、


…携帯がない。


慌てて反対のポケットや鞄の中も探すが、見当たらなかった。


…途中で落としたんだ-…。


中庭の時計は8時53分を指していた。


…講義は9時から、まだ間に合う。


私は学内の公衆電話から自分の携帯にかけてみた。


プルルル…


10回ほどコール音がなると留守電へと切り替わる。

仕方なく受話器を置き、講義室へと向かった。


今日の講義は午前だけで、午後からバイトを入れていた私は、バイト先に向かう前に再度携帯に電話してみるが、やはりコール音と留守電のアナウンスだけが聞こえてくる。


バイト先に行く途中に朝来た道を通ってみるも、携帯を発見することはできず、仕事を終えバイト先を出る頃には、既に夜9時を回っていた。


近くのコンビニの公衆電話でもう一度電話してみるが、結果は変わらない。

仕方なくその日はそのままアパートへ帰ることとなった。


翌朝、再度度電話してもやはり結果は同じだ。

その後、携帯ショップで落とした携帯の使用停止の申請をし、代わりの携帯電話を手に入れるはめになった。


後に友人から聞いた話だが、やはり昨日の朝の占いでは私の星座は12位だったそうだ。



…-そして、雨は今もまだ降り続いている。





















【解説】

非防水の携帯が豪雨の中、置き去りになっていたら、少なくとも時間が経てば壊れるはずです。

(最後の一文は、

雨が止まずに降り続いている=落ちたままなら、濡れっぱなしのはず

ということを表したつもりです。)


さらに電池が満タンではない携帯に何度も電話がかかってきた場合も、きっと電池は一日はもたないでしょう。

そして、壊れたり充電が切れた携帯へ電話をかけてみると、コール音はならずに、


「お客様がおかけになった番号は―…」


というアナウンスが流れるはずですね。

その点を踏まえて推測すると、


コール音が聞こえる = 携帯は壊れていない


充電も切れていない = 壊れる前に拾われた = 充電も切れていないので、充電されて使われている?


となりますよね…。


勝手に使用されて、料金がビックリ!という怖さもありますが、現代は情報社会です。

最近の携帯電話には沢山の情報が詰め込まれています。

画像等の情報はまだしも、一番困るのは個人情報です。

自分発信で、他人の情報を開示してしまうことになってしまうので…

(個人的には、メールの内容は見られたくありませんが…苦笑)


今回の話は情報が盗まれる怖さを描いたつもりです。 その辺を感じて頂けたら幸いです(_ _*)


※ちなみに、この話は半実話です。

皆さんも携帯の紛失にはくれぐれもご注意下さい。

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