表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
55章:実習生、大切な存在を護るために戦う
955/970

55-117


「くそっ! これは思った以上にやばすぎる!!」

 連続で迫り来る炎弾を動き回って回避する優真は、誰に言うでもなく、そう叫ぶ。


 真紅の炎に包まれた優雅の攻撃は、先程までとは威力も速さも段違いなものになっていた。

 軽くかすっても死にかねないような攻撃。

 そんな威力の炎弾が何発も飛んでくるその光景は、まるで流星群のようにも見えた。

(……跳ね返すか? いや無理だな。あの熱量じゃ近付いただけでも溶けそうだわ……)

 そんなことを考えながら炎弾を避け続ける優真だったが、彼が苦戦する理由はそれだけではなかった。

 その一つが、ここでは花鳥風月の型が使えないことだ。

 元々あの技は、全ての獣人と()()()()()男神として知られる麒麟と、その眷族達が力を貸して、ようやく完成する技だ。

 だが、ここは時空神の眷族エパルが造った空間。

 彼らの力はここまで及ばず、十全の力を発揮出来なくなってしまった状態では、今の優雅に満足な一撃を与えるのは難しいように思えた。

(……とはいえ、このまま攻撃せずに逃げ回るのでは俺の体力が消耗するだけ……こうなりゃいっそのこと……)

 そんなことを考えた優真は、優雅の方に視線を向けた。

「……やらなければ死ぬ……やっても死ぬかもしれない……でも、こんなことしてくるバカ親父には、一発ぶん殴ってやらなきゃ気がすまねぇ!」

 急ブレーキをかけた優真はそう叫ぶと、優雅に向かって一直線に走り始めた。

 当然の如く、優真を炎弾が襲う。

「すまん紅華、少し無茶をさせる……」

 優真がそう呟くと、優真の持つ刀がプラチナ色の光を帯びる。

「十華剣式、伍の型、白桜の舞い!」

 その技を放った優真は走るスピードを緩めずに炎弾を斬る。だが、それで終わりではなかった。

 着地と同時に床を蹴り、次の炎弾へと向かい、同じ行動を繰り返す。

 その軌跡はまるで、巨大な炎の塊をつなぐ糸のようにも見えた。


 炎弾の熱で手が火傷以上の傷を負おうと優真は刀を離さなかった。

 そして、優真は優雅の前に着地する。

 優真と優雅の間には、もう炎弾はない。

 優真は一瞬で刀を持ちかえ、刀の峰で優雅を斬った。

 その瞬間、優雅の体は真っ二つになった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ