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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
55章:実習生、大切な存在を護るために戦う
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 自分達の金で生活できる者達が買い物する通りにあったゴミ捨て場。

 美味しくなくなってきた野菜や微かに腐った肉など、色々なものが拾えるその場所が、自分達の生命線だった。

 その日、私はいつもより多くの食糧を手に入れることができた。

 メリアに与えても、充分残る。

 久しぶりの満足いく食事にわくわくしながら帰路につく。

 そこで、私は一人の青年に声をかけられた。

 その者は以前、私の帰り道で酔い潰れていた人間だった。

 二人の屈強な奴隷を従えていたその男は、私を殴れとだけ二人の奴隷に命令した。

 当然、その命令は実行され、幼い私は抵抗むなしく意識を失った。


 鞭で体を叩かれた痛みで目を覚ます。

 そこには、先程の青年と、鞭を持った奴隷が立っていた。

 怒りという感情が露になった青年は怒鳴り散らす。

 自分の貴章を何処にやったのか、と。

 当然、貴章がなにかについて全く知らない私にとって、それがなにかはわからなかった。

 貴族としての地位を表す重要なものだと説明されてもわからない。

 ただ、一つ言わせてもらうなら、私は彼から金以外は盗っていない。

 以前似たような経験から足のつくものは盗らないように気をつけていた。金であれば拾ったと言える。財布は孤児が持っていては盗ったと見なされ、金ごと没収される。

 金目になりそうなものだって、そもそも売れないのであれば邪魔でしかない。

 だから、断言出来た。

 それを盗んだのは自分ではないと。

 だが、子ども、ましてや裏路地で暮らす孤児の言うことを大人が信用なんてするはずがない。

 知らない。そう言う度に鞭で打たれ、罵倒する言葉を吐く度に、体の骨を折られた。

 必要最低限の食事以外はとることを許されず、家に帰してほしい。妹に会わせてほしいと願っても、それが叶えられることはなかった。

 そして、捕まってから、2週間の月日が経った。


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