表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/970

10-9

 その若い兵士の後ろには同じように不満そうな顔を見せる八人の兵士がいた。

「……なんだお前達は? 呼んでないぞ」

「いやいやそりゃないっしょ。ここで犯すのをやめるって、あんたバカか~? 俺達はさ~、この女見た時から体が疼いて仕方ねぇんだよ。こんな上玉あんた一人で楽しもうなんて虫がよすぎるぜ? それにこいつらを見逃すだ~? こんな女一人見つけられないような無能集団皆殺しでいいだろ!」

 その兵士は髪を染めているのか珍しい金色の髪をしていた。

 しかし、他の兵士達や村人が注目していたのはそこではなく、徐々に不機嫌な顔になっていくベラキファスだった。


「おい新兵…………貴様誰に向かってその口を聞いてやがる?」

「お前だよ、お・ま・え」

 なめくさったような態度をとる10代半ばくらいの若い新兵がそう言った次の瞬間、彼の体が一瞬で肉塊になった。

 赤い血を辺りに撒き散らし、さっきまで動いていたはずの人間が、そこかしこに肉の塊となって散らばる。


「…………え?」

 その一部始終を見ていた少女(シルヴィ)の顔は恐怖に染まり、甲高い悲鳴を上げる。

「な……何やってんだあんた!? そいつは子爵様の息子だぞ!!」

 若い兵士の一人が不機嫌な顔を向ける将軍にそう言うが、そう言った兵士の表情は怯えきっていた。

「新人教育がなっとらんな。雑魚に舐められた将軍など、誰にもついてこぬだろう。……せっかくだ。ここで思い上がった新兵を黙らせるのも私の務め。さぁ、どこからでもかかってくるがいい」

 怯えきっていた兵士達は肉塊を見ると、腰に携えていた剣を引き抜いて将軍に向けるが、ベラキファス将軍の圧倒的な威圧に震えるだけだった。

 やがて、それを見かねたベラキファスが「そっちから来ないというのなら……私からいこう」と言うと、懐から銀色に輝くナックルダスターを取り出し、両手にはめた。

 次の瞬間、ベラキファスは強く地面を蹴り、剣を向けた新兵達に容赦なく顔面パンチを食らわせていく。

 若い兵士8人は、全員ベラキファスに瞬殺された。


「……これが『鉄拳』ベラキファスですか。……いやはや予想以上の強さですね……腕をなくしたのは実にいたい……」

 死体処理を部下に頼むベラキファスを見て、ハルマハラはそう呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ