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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
55章:実習生、大切な存在を護るために戦う
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 当時のワレは彼女の近くにはいなかった。彼女の指示により、ワレは更にモンスターを増やすため、遠征に行っていたのだ。いや、ワレだけではない。今ここにいる我々7匹のSランクモンスター全員が、彼女の傍に居られなかったのだ。

 だからこそ、これは最期を見届けた仲間が教えてくれたことだ。


 戦いを司る神とミナの戦いは三日三晩続いた。

 当時のミナには、居なかった我々を除き、22匹のSランクモンスターが傍に居た。

 当然、Aランク以下のモンスターはその比ではない。

 対する戦いを司る神は、30名の眷族を率いていた。うち10名は覚醒しており、2日目の昼には眷族筆頭まで現れたそうだ。


 ◆ ◆ ◆


「結果……我々は負けた……」

 その言葉は、とても重苦しいものだった。

「例えこの身が朽ちはてようと、例え仲間の誰かが死んだとしても、彼女だけは守ると誓った!! だが……我々が戻った時、志を共にした仲間達は既に大半が力尽きてて……残ったもの達も、既に息が絶え絶えだった。……それでも彼らは、生き残った我々に一つの願いを託した。死の淵に立ち、そして、彼らはのぞんだ。我々の主を地獄から助け出してほしいと! 不甲斐ない自分達の代わりに、彼女を救いだしてほしいと! そう望んだのだ!! だから我々は心の底から忠誠を誓った主を助け出す為に、アゼストに協力したのだ!」

「……ふむ、それで? お主の主君は助け出せたではないか。なぜ、このようなことをした?」

 その言葉に、ワイズオウルは押し黙った。目を伏せ、言いづらそうにしている様子だった。

 しかし、すぐに麒麟とメイデンにテレパシーの声が届く。

「……10年程前のことだ。我々は神への復讐をひとまず諦め、ミナを助け出すという一つの目的を掲げて再び集まった。数は極端に減ったが、それでも戦力としては充分だと言えた。……だが、行き詰まっていた。我々じゃ地獄には行けないのだ。行く方法もわからず、神を襲撃して聞こうにも、前回の二の舞になりかねない。そこで、戦闘力は劣るが、知識量は他を上回っているという理由で、ワレが作戦を考えることになった。しかし、ワレには神の世界など知る方法が無かった。そんな時に現れたのが、アルゼンという死神の眷族筆頭だった」

「アルゼンとな? あやつはそんな前からこんな馬鹿げた作戦を企んでおったのか?」

 麒麟の質問に対し、ワイズオウルは首を横に振った。

「……よくは知らない。だが、彼はワレを簡単に殺す術を持っていた。そして、奴はワレにこう言ってきたのだ。その子を助けたいなら私に協力しろ、とな」

 

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