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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
55章:実習生、大切な存在を護るために戦う
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 メイデンは苦戦を余儀なくされていた。

 どんなに強いメイデンであろうと、ミナの特殊能力で超強化されたSランクモンスター相手では、そう簡単な話ではなくなる。

 しかし、彼女も1対1であったなら、ここまで押されることはなかっただろう。

 彼女が対峙しているのは6匹のSランクモンスター。

 1匹は、素早い動きでこちらを翻弄してくるライガーの上位種、テンペストライガー。

 1匹は、翼を広げたら10メートルもある白い鷹、ホワイトホークス。

 1匹は、硬い甲羅が特徴的な、5メートル程の亀、ヘルトータス。

 1匹は、長く太い体をくねらせて這いずる全長20メートルはあるであろう大蛇、ポイズンサーペント。

 1匹は、先程まで壁を殴っていたエンペラーグリズリー。

 1匹は、光の速さで敵を仕留めようとするライトニングウルフ。

 そして、そのどれもが例外なく目を赤くしていた。


「やめて!! なんでミナの言うことを聞いてくれないの!!!」

 少女は必死に叫ぶが、モンスター達は誰も耳を傾けない。

 この異常から、メイデンは一つの答えを導きだしていた。

(……このモンスター達は誰かの手で操られてる……多分、あの子を地獄から出したのは彼女のSランクモンスターを利用するため……)

 それがわかった瞬間、メイデンは彼女のモンスター達を操っている存在に対し、苛立ちが募っていった。


(……あの子を騙した相手は絶対に許せない……でも、その前にこのモンスター達が先決……)

 そう思ったメイデンが取った行動は、回避行動ではなかった。

 彼女はエンペラーグリズリーの前で立ち止まったのだ。

 当然、目の前に現れた敵を仕留めようとエンペラーグリズリーは襲いかかった。

 すると、突然エンペラーグリズリーの目の前に銀色の膜が現れた。

 勢いよく突っ込んでいったエンペラーグリズリーは、そのまま銀色の膜に突っ込む。すると、不思議な現象が起きた。

 軽くかわしたメイデンの真横にエンペラーグリズリーが着地した瞬間、エンペラーグリズリーの体は銀色になり始め、遂にはその体を硬直してしまったのだ。

 エンペラーグリズリーの悲しい叫びを聞けたのは、ミナだけだった。

「ズリちゃん!?」

 ミナの叫びに応える者はいない。

 そして、たじろいだモンスター達に目を向け、メイデンが呟く。

「……まずは1匹……」


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