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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
55章:実習生、大切な存在を護るために戦う
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55-13


 ユリスティナは3人が来たのを確認すると、扉を閉めるボタンを押そうとして直前で開き続けるボタンを押した。

 何か嫌な予感がした。

 こんな考えが前にも過った。

 全員がいる筈なのに、揃っているようには思えない。

 しかし、彼女の不安とは裏腹に扉はいきなり閉まり、上へと発進した。開くボタンを押し続けていたユリスティナは不審に思い、何度も1階のボタンを押すが、エレベーターの操作権は既に、彼女の手には無かった。


 ◆ ◆ ◆


「まったく……物好きな奴じゃ」

 エパルは相手の剣をかわしながらそんなことを呟いた。

 エパルの戦い方は、持ち前の直感とテレポートによる回避のみ。特別速いという印象は抱かないが、彼女はアルゼンから目を離さず、その一挙一動から彼の攻撃をことごとく回避していった。

 ここで彼の視界から消えて戦うという彼女本来の戦い方は使えない。それをすれば、彼が自分を無視して上へ向かうかもしれないからだ。

 どんなに戦いにくかろうが、その結末を選択する訳にはいかなかった。


 エパルの周囲に蔓のようなものが出現する。

「王の名の下にあやつへの攻撃を許可する!」

 蔓の先が鋭くなり、アルゼンを襲う。そして、攻撃を避けようとアルゼンが動いた瞬間に彼女は叫ぶ。

「王の名の下に避けるのは許さぬ!!」

 その言葉がアルゼンの体を縛りつける。だが、アルゼンはそれに動じた様子を見せない。それどころか、エパルには一瞬、彼が笑ったようにも見えた。

「かしこまりました」

 彼はその言葉を口にし、手に持つ二本の剣で蔓を一瞬にして切り刻んでみせた。

 その動きは、エパルの目で捉えることすら困難だった。

 だが、彼女はすぐに思考を次の攻撃へと移す。

「まぁよい! 王の名の下に無数の刃はあやつを襲うことを許可する!」

 その命令が終わるのと同時に、彼女の周りには刃渡り30センチ程のナイフが無数に出現した。そのナイフ達は、彼女の周囲を回り、王が敵と見なした相手目掛けて飛んでいく。

「この程度で私が倒せると?」

 アルゼンは不適な笑みを浮かべると、双剣を回転させながら上へと放り投げた。


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