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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
55章:実習生、大切な存在を護るために戦う
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55-11


 その音を聞いた瞬間、ホムラが叫んだ。

「全員エレベーターのある部屋に向かえ!!」

 誰もが感じた危険信号。それに従ったホムラの反応は実に正しかったのだろう。しかし、それは既に手遅れだった。

 ホムラの背後に黒いローブを身に纏った人影が映る。

 そして、その人影は遠慮なく彼女の首を狙って剣を振るった。

 しかし、彼女の首が胴と離ればなれになることはなかった。

 彼女の周りに半球体のバリアが展開され、彼女の身を守った。

 それに触れた瞬間、速さ重視で振るわれた剣は威力を失った。しかし、人影は諦めなかった。先程よりも強烈な一撃を放とうとしていた。だがそれは、脇腹と右側頭部に強烈な蹴りを与えたことで、防ぐことができた。

 しかし、それでも人影は微動だにしなかった。攻撃も止められたのではなく、あえて止めたようにも見えた。

 まったくダメージを受けていないようにも見えるその姿に、ドルチェとファルナは悔しそうな表情を見せた。

 フードを目深にかぶった人影はそれを見て、表情に笑みを見せた。しかし、それも束の間、彼は一瞬、驚いたかのような表情を見せると、大きく後方に跳んだ。

 その場所に降り注がれる無数の刃。

 それは、床に出来た渦へと垂直落下し、見る者を驚かせた。

「騒々しいぞ」

 刃が消えた直後、その声が部屋全体に響き渡り、何もなかったはずの空間に一人の少女が現れた。


 その白髪少女に、ユリスティナは見覚えがあった。以前、この本拠にも訪れたことのある彼女は時空神の眷族として名高いエパルだった。

 彼女は護衛として、最初からここにいた。

 誰にも気付かれることなく、ここにいる面々を守るのが彼女に与えられた使命だった。

 しかし、あっさりとシェスカに見付けられ、そのうえ一緒に遊ぼうと誘われたため、他の者には気付かれない程度に隠れながら、一緒に遊んでいた。


「なんじゃ? てっきり炎帝のやつが来ると思っておったが、お主は確か……先鋒戦に出ておった者じゃな?」

 エパルの存在に驚いている面々を無視し、エパルは人影に話しかけた。

「おやおや、せっかくばれないようにしていたのですがね……まぁ、もうばれたのなら仕方ないでしょう」

 フードを目深に被った男はそう言うと、フードを取ってその姿を見せた。

 そこに立っていたのは、エパルの予想通りアルゼンだった。


 8人という表記の理由がユリスティナ、ホムラ、シェスカ、ファルナ、ドルチェ、イアロ、スーチェ、そしてエパルが居たからでした。実は最初から居たというね。

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