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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
55章:実習生、大切な存在を護るために戦う
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55-4


 そこは、先日ホムラと再会した建物だった。

 しかし、今回開かれるのは、上級神達による会議ではない。

 去年までファミルアーテだった者達による対策会議。それがここで開かれるのだった。

 元ファミルアーテ第3位だったハナさんは当然として、その他にも、多くのファミルアーテと呼ばれる存在がここに集まっている。

 ちなみにメイデンさんは呼ばれていないが、彼女の圧に耐えられなくて渋々許可を出した。

 俺のメイドとして俺を守ると意気込んでいるらしい。それもこれも、女神様が面白半分で許可を出さなければ……まぁ、今更過ぎたことを言っても仕方ないか。


「……それじゃあ……行くよ?」

 優真は扉に手をかけながら、後ろの二人に確認を取った。二人は優真の言葉に小さく頷く。

 優真は小さく呼吸をしてから、扉を開いた。


 そこは神聖な雰囲気に包まれた場所だった。

 内装は大きな円卓とその周りにある厳かな椅子。飾り気はないだろうが、座り心地は良さそうだった。

 しかし、優真が真っ先に感じたのは、新入りに向けられた圧力だった。


 第10位の席に座っているのは、雷を司る男神の眷族筆頭、ライと呼ばれている青年。

 第9位の席に座っているのは、月を司る女神の眷族筆頭、ルナと呼ばれている少女。

 第8位の席に座っているのは、太陽神の眷族筆頭、アポロと呼ばれている男性。

 第7位の席は空席。

 第6位の席に座っているのは、海洋神の眷族筆頭、マリンと呼ばれている少女。

 第5位の席に座っているのは、幻想と夢を司る女神の眷族筆頭、イルジョネアと呼ばれている女性。

 第4位の席は空席。

 第3位の席には、優真の隣にいたハナが座った。

 第2位の席には、何故か創造神の眷族筆頭、キュロスと呼ばれている男が座っていた。

 そして、最後の一つ、本来であればキュロスが座っていたであろう席。第1位の席に、優真は座らされた。

 その背後に、メイデンが控えるように立ち始めた。

 これにより、対策会議最後のメンバーを待つ雰囲気になるが、そんななか、第10位の席に座っている男が手を挙げた。

「一つ良いか?」

 それは、優真の隣に座っているキュロスに向けられた質問だったが、彼は目で了承するかどうかの決定権を優真に促した。

「え? もしかして俺が進行すんの? ……初めてでなんもわかんないし、極力キュロスさんとかに進めてもらいたいんですけど……」

 頬をかきながらそんなことを言い始めた優真を、キュロスは一瞥し、ライの方へと顔を向けた。

「言ってみろ」

「ありがとうございます」

 キュロスに向かって軽く頭を下げると、ライは立ち上がり優真の方に顔を向けた。

「ファミルアーテ元第10位のライです。雨宮優真殿、ここは選ばれた者のみが入室を許された神聖な場所です。いくら創造神様に認められたとはいえ、勝手は許されない。即刻彼女に退室していただきたい」

 ライは指をさす。その先に居たのは、メイデンであった。


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