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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
55章:実習生、大切な存在を護るために戦う
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55-3


 一つの夢を見た。

 幼い頃、父さんと一緒に出掛けた遊園地。

 俺は迷子になって、泣いてたら、父さんが迎えにきてくれた。

 汗だくで、息切れしてて、迷惑かけたのは俺なのに、父さんは俺の頭を撫でて、ソフトクリームを一つ買ってくれた。


 ◆ ◆ ◆


 部屋の扉が勢いよく開け放たれた音で、俺は目を覚ました。

 何事かと飛び起きた瞬間、俺の視界に飛び込んでくる少女達の姿が映った。

「!!?」

 その光景に言葉を発する前に、俺はファルナを先頭にやって来た5人の少女に飛び付かれた。

「!? なになになになに!? えっ、ちょっ……どうしたの急に?」

 いつもはまぶたを開けるのも億劫になるというのに、この時ばかりはすぐに覚醒した。

「えへへ~マリカお姉ちゃんがね、お寝坊お兄ちゃんを起こしてきてだって」

 楽しそうに笑うシェスカの説明に苦笑いしつつも、この状況はよくわからなかった。

 シェスカとファルナが起こしにくるというのは、前からよくあることだし今更だ。むしろ、二人が静かに起こしてくれた記憶なんてあったかどうか……。


「というか、イアロまで抱きついてきたのは正直意外だったな……」

「ボクだっておじさんに甘えたい時があるんですよ?」

 赤髪の少年は、笑顔でそんな可愛らしいことを言ってくる。

「なるほどね。まぁ、ドルチェに関してはファルナと似た感じだからなんとなくわかるとして……」

 そう言いながら優真は、視線をドルチェから最後の一人へと移す。

「スーよ、寝るのなら自分の部屋で寝ろ」

「…………や、ここが寝心地いい……」

「……左様で」

 優真は起きようとしない少女にそう言うと、彼女を背負い、他の4人を連れて、部屋を後にした。


 ◆ ◆ ◆


「……本当に良かったの?」

 俺はついてきていた後ろの二人にそう訊いた。

「ユウタンは着いてきてほしくなかったの?」

 ハナさんがそう言ってくるのを聞きながら、俺は首を振る。

「そんなことないよ。二人が来てくれて正直心強いからね」

「……安心して……ご主人様のサポートは私の使命……ご主人様になめた態度をとる奴を殺るのも私の使命……」

「はは……二つ目は別にやらなくていいからね?」

 メイデンさんのとても冗談とは思えないような言葉を聞いていると苦笑しか出てこない。

 何故かこちらを見ないけど……大丈夫だよね?


 そんなこんなで優真達が歩いていると、一つの建物が見えた。


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