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9-14

「僕は神獣族、ファルナ……お兄さんは、シェスカのお兄さんだから特別に教える」

 ……正確には本当の兄という訳じゃないんだけど……まぁ、変なこと言うとなんかこじれそうだし、どうせ明日までしか一緒にいないんだから否定する必要もないだろ。


「そりゃどうも。せっかくだし聞きたいことがいくつかあるんだけどいいかな?」

「大丈夫! お兄さん良い人! お肉美味しかった! お風呂ってのも気持ち良かった! だからいいよ!」

 ファルナの瞳は爛々と輝いており、ほとんど何もやっていない優真は苦笑いしてから質問を始めた。


「まず一つ目なんだが、神獣族ってなんだ?」

 その質問をすると、猫耳少女(ファルナ)は首を傾げた。

「お兄さん知らないの? 母様から聞いた。人間は神獣族に詳しいから、気を付けろ! って」

「そうなのか? 悪いんだけど、俺はこっちの常識に疎いから教えてくれないか?」

「ううん、別にかまわない。神獣族、最強の獣人! 玄武、白虎、朱雀、青龍、この四神様の子孫が、僕達神獣族なんだ! 神獣族と呼ばれる存在は、僕達白虎族、朱雀族、玄武族、青龍族とそれぞれ呼ばれていて、南大陸にあるそれぞれの聖地で暮らしてるんだ!」

(白虎、玄武、青龍、朱雀、日本の四神と名前まで同じなのか……)

 優真は、他にも神獣という存在についてや、暮らしている所を聞こうとしていたのだが、今の説明で全部わかったのでもう聞くことがなくなってしまった。

 

「ありがとな、それだけ聞けたら充分だ。これからは変な奴らについていかないように気を付けるんだぞ。連れてきた俺が言うのもなんだけどさ」

「わかった! お兄さん、世話なった。ありがと!」

 そう言ったファルナは俺に抱きついてきて、頬を擦り寄せてきた。

「これ、獣人族がする友情の証! 大好きの証拠!」

 それだけ言うと満足したのか、ファルナは部屋の扉を開けて廊下に出ると「また明日!」と言って手を振りながら部屋へと戻っていった。

「……友情ねぇ、最初はあんなに強く叩いてきたし、逃げられたし、絶対印象悪いと思ってたんだけどな~。子どもというのは相変わらず難しいな」

 そう言いながら、俺は部屋の電気を消すとベッドにダイブした。

(……今日は本当に疲れた~。明日は何もないといいな……)


 そう願いながら深い眠りについた優真。だが、彼はこの時まだ知らなかった。

 これから降りかかる不幸を…………

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