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9-12

 そう言われると俺も渡すしかなかった。俺一人じゃどうしようもないのは事実なんだ。このままにしておくよりも、神頼みした方がまだましに見えてくる。

 俺は数少ない調味料と共に、買ってきた食材をアイテムボックスに送った。

 アイテムボックスの収納場所は天界と呼ばれる子どもを司る女神の住処だった。

 許容範囲は女神ですら知らないと言うくらい広い。

『うわ~、米まであるんだ~。うんうん、これならなんとかなりそうだね。……あっやば』

 その言葉が表示された後、タッチパネルが消えてしまった。

 ……何がやばかったんだろうか? ものすごく気になるが、気にしない方がいいこともあるのかもしれない。……まぁここで待っていても仕方ないか。


「二人とも、ご飯はもう少しかかりそうだから、もうちょっと待っててくれ」

 その言葉に不満そうな顔で、二人は返事をした。

 ちなみに二人は、ふかふかなソファーの上でじゃれついていました。


 ◆ ◆ ◆


 待っている間に、風呂に入って、洗濯物を手洗いし、寝る準備を全て終えた俺は二人のいる部屋に入ると、ちょうどそのタイミングでタッチパネルから通知がきた。

『出来たからアイテムボックスを確認してみてね~。彼女曰く熱々の内に召し上がってだってさ!』

 俺はタッチパネルを操作して、アイテムボックスの項目を開きスライドしていく。

 すると一番新しい所に入れた覚えのないものが3つずつあった。

 急いで食卓に向かい、それらを取り出す。

「やっぱりか! 超ありがてぇ!」


 テーブルに置かれたそれらは、よく見知ったものだった。

 炊かれた白米と、味噌汁、キャベツの千切りが添えられたしょうが焼き、久しぶりに見た日本食だった。

 なぜか入れた記憶のない箸までついていたのは驚いたが、とりあえず神様には滅茶苦茶感謝した。

「飯が出来たぞ~!」

 そう声をかけると、廊下をドタドタと音を立てながら、二人の少女が部屋に入ってきた。


「うまそ~! これお兄ちゃんが作ったの?」

「いいや。料理が出来ない俺を見かねて神様が助けてくださったんだ。ちゃんと感謝するんだぞ」

 猫耳少女に関しては、初めて見る料理に驚いている様子だった。


 俺たちは椅子に座り、手を合わせた。猫耳少女もシェスカに習って手を合わせる。

「ちゃんと手を洗ったな? それじゃあ、いただきます!」

「いただきます!!」

「い……いただきます」

 そして、俺たちは晩御飯を食べ始めた。

 箸はおそらく使えないであろう二人にはスプーンとフォークを用意した。二人とも、うまいうまい、と美味しそうに食べていた。

 俺も久しぶりの箸に違和感を抱きながらも、しょうが焼きを一口食べた。

 一言で言わせてもらうと、とても美味しかった。

 どこか懐かしいような感じがしながら、俺はその料理を堪能した。 

 猫耳少女ことファルナは出会った当初は、獣人特有の言語で話しており、どんな言語でも問題なく聞き取れる優真には普通に聞こえています。

 その後彼女は、シェスカと風呂に二人っきりの時からは、頑張って伝わるように人の言葉でしゃべっています。

 いきなり口調が変わったのはそういう意図が込められていたことをここに記します。

 ちなみに優真は、違いがよくわかっていないのでまだ気付いておりません。

 後々、記す機会がある時にちゃんと記したいと思ってはいます。

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