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50-1


 俺は今、昼飯を買いに屋台エリアまで足を運んでいる。

 一緒に買いに来たのはシルヴィだけで、ハナと万里華とユリスティナとシェスカは観客席でスーチェと共に留守番をしている。本当は万里華達も一緒に来ようとしていたが、混雑による迷子が発生しかねない為、席で待っていてもらうようお願いしたのである。

「ユーマさんは何が食べたいですか?」

「そうだね……どれ食べよっか……」


 金銭による商品の交換を必要としないこの屋台エリアでは、全てが食べ放題で、尚且つ、味も最高という夢のような場所だった。

 本来であれば神や眷族、天使という存在は食事を必要としない。だが、食べれない訳ではない。お腹も空くし、喉も乾く。嗜好品として嗜むのも楽しみの一つだろう。

 ただ単に、食わなくても死なないというだけだ。


 どれを食べようか迷うところだが、やはり一番のオススメは、ライブクッキングで美味しそうに焼きあげるステーキのお店だ。そこは長蛇の列が出来る程の人気店。これがただで食えるってんだから、眷族になって良かったと心の底から思える。

「やっぱりステーキが食べたいかな……あんまり家では食べないし、神が厳選した最高級の肉を使ってるってだけあって、味も最高だしね!」

「ふふ、そうですね。せっかくですので、家ではあんまり食べられないようなものがいいですね」

 そう言ったシルヴィは、賛同しているように見えたが、彼女はこちらに同意する直前まで、ステーキ屋とは別の店を見ていた。それを俺は見逃さなかった。

 そこは焼きそばの店だった。

 その時、一つの考えが浮かぶ。

 シルヴィは、内心では焼きそばが食べたいのではないか、と。

 よくよく考えてみれば、あそこの店のステーキにはガーリックが使われている。

 外出時ににんにくを食べたいと、年頃の女性が果たして思うだろうか?

 ……多分嫌なんだろうな……。


「……まぁ、俺が食べたいのはステーキだけど、やっぱりこんだけあるんだから他の店にも行きたいよね。せっかくだし、あそこの焼きそばの店はどうかな? シルヴィが嫌だってんなら別の場所にするし……」

 その言葉に、シルヴィは慌てた様子を見せる。

「あ……いえ、その……すみません……気をつかわせてしまいましたか?」

「そんなことないよ。気が回らない俺がバカだっただけだし……それにしても、シルヴィって焼きそばが好きだったの?」

「はい、以前ユーマさんが作ってくださったあの味が忘れられなくて……また食べてみたかったんです」

 頬を少し赤らめながら言ったシルヴィのその言葉が俺には心の底から嬉しくて、またいつか作ってみようと思えた。 


 同日ということで勘違いしてましたが、ここから新章でした。

 本当に申し訳ございません。

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