表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
49章:実習生、最高峰の戦いを観戦する
749/970

49-14


 エパルが眷族となった月日は100年も経っていない。にもかかわらず、彼女は時空神の眷族達の誰よりも強い。

 唯一勝てないのは、眷族筆頭のパルシアスだけ。

 だが、彼女が望んだのは強さではない。

 彼女は戦いが好きな訳ではない。

 時空神やパルシアスと同じで面白いものが好きなだけの少女。

 彼女は望む。

 自分が面白くなれる空間を。


「【空間之王(カオス)】を発動じゃ! 妾の命令はこの場にて絶対! この攻撃を避けることは許さぬ!」

 突如として目の前に現れたエパルが、プラウドに命令する。すると、彼女の周りにあった蔓が数本に纏まり始め、先が鋭利な状態となる。

 そして、その蔓がプラウドを貫こうとすごい速さで近付いてくる。

 だが、彼も破壊神によって選ばれた代表の一人。

 その程度の攻撃は見切れて当然だった。現に彼は、その攻撃を避けようとした。


「ぐっ……!!?」

 脇腹に激痛が走る。

 痛みが走ったところを見れば、そこに蔓が突き刺さっており、赤い液体が自分の体から流れていた。

 確かに避けようと思った。攻撃も曲がったり特別な動きをした訳ではない。

 なら何故攻撃が当たった?

 答えは簡単だ。

 自分はその攻撃を避けなかったからだ。


 蔓が引き抜かれ、赤い液体が宙を舞う。

 膝をつき、血が流れたところを手で押さえる。

(……なんだっ!? ……いったい何が起こったというのだ!?)

 息を荒げ、エパルの方を見る。

 そこには、先程と同じような状態の蔓が4本存在していた。

「一度で終わらせるのはもったいないからのぅ。妾はな、妾を嘲るような奴には容赦しないと決めておるのじゃ。まぁ、せめてもの情け、殺すのは勘弁しておいてやろう……もう一度攻撃を行う。この攻撃を避けることは王である妾が許さぬ!!」

 その発言と共に、4本の蔓がプラウド目掛けて飛んでいく。

「我はっ……破壊神様に勝利を献上するのだ!!! こんな蔓……【塵壊】で灰となれ!!!」

「その特殊能力の使用は王である妾が許さぬ」

 その一言で、プラウドの光っていた体から、光が消える。

 直後に蔓が突き刺さり、プラウドは激痛で悲鳴を上げる。

「そうじゃった、そうじゃった……その蔓は王である妾の命令で意識を失わせる毒入りじゃ……お主は意識を失い、王である妾に勝利を献上せよ」

 思い出したかのように発した発言が、プラウドの耳に届く。それと同時に何かが体に注入されるかのような感覚を覚え、プラウドの意識は暗闇へと誘われた。

 それは、結界解除の合図でもあった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ