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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
49章:実習生、最高峰の戦いを観戦する
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 眷族達の戦うフィールドには、ほとんど仕掛けがない。

 荒れたフィールドも、上級神達に使役する天使達が治しているからこそ、眷族達は伸び伸びと戦えている。

 そして、フィールドに設けられた結界はあらゆる事象に影響を受けない。これにより、眷族達の戦闘で発生する余波がフィールドの外にまで影響を及ばさない。

 だからこそ、フィールド内にて行われている現象は中に存在している眷族によってもたらされたものである。


 鬱蒼と茂る草木の中で、破壊神の眷族プラウドは360度全ての方向に神経を集中していた。

 目の前にある木々は、殴ることで折れ、蹴ることで粉砕することが出来る。その感触や手応えは人間達の住む地上に生えているものとよく似ている。

 幻覚ではなく本物。

 今までの対戦記録ではこんな事が起こったことはない。

 時空神の眷族達が使える魔法が『テレポート』と『未来予知』であることを知っているプラウドにとって、この現象に一つの答えを出す。

(開始直後にいきなり生えてきたこの草木がエパルという眷族の特殊能力であることは明白……しかし、大地の女神様の眷族筆頭のハナ様でさえ、これほどの大樹を生み出したところを見た事がない……それに、あの娘はどこに行った?)

 視界は草木のせいで制限を受け、少女の姿を捉えることができない。

 しかし、これまでの戦いにおいて、エパルが出た試合はたったの一度きり。パルシアスやトキネ、はたまた他の眷族が代わりに出ただけで、エパルの戦い方は、未だに不明。

 その一度の戦いにおいても、テレポートの乱用で相手を翻弄し、集中力を欠いた相手を蹴って終わっている。

 その戦い方を見ていたプラウドだったからこそ、考えにもよらなかった。

 既に自分がエパルの術中にはまっているということに。


 目の前で草木を掻き分けて、彼女を探すのは時間の無駄であることを早々に理解したプラウドは、自分も特殊能力使用を宣言するべく空に向かって声を張る。

「この草木をかき消す為、我輩の力を使用させていただたい!!!」

 その言葉に反応するかのように、上空のカプセルの一つが数秒後に二度程点滅した。

 それは許可するの合図。

 危険過ぎて、敬愛する主神から使用する際に目的を伝えて許可を求めるようにと忠告された能力。

 本来であるならば、そのできるだけ使うなという命令に則り、使わないでおきたかったその特殊能力を、プラウドは時空神の眷族達に勝つという使命に則り、発動させる。


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