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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
49章:実習生、最高峰の戦いを観戦する
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 ここまでやられるのはトキネにとっても想定外だったが、彼女だって、相手が破壊神の眷族だとわかっていて戦っているのだ。一つや二つ、策が破られたところで、何の影響はない。それどころか、少なくとも相手が避けるのではなく、真っ正面から破ってくる性格だという素晴らしい情報も掴めた。

 ダメージはでかかったが、その情報さえあれば、なんら問題はない。これなら、用意しておいた最高の策が効果を発揮してくれる。


「神様にお祈りは済んだか?」

 目の前でうずくまっている女性に向けて、そう聞いた。

 自分用の対戦相手だというのであれば、もう少し肉弾戦が出来る敵とあいまみえたいと思っていたが、こっちの目を見ても、戦闘の意思を見せただけましだと思うべきだろう。

 どうせなら、昨日の試合で処刑人形相手に勝利した眷族と戦ってみたかったが、そもそも神が違うのだから叶う道理がない。

 

 ユウキが右腕を振りかぶる。

 その瞬間、先程と同じ感覚を感じた。

(……なるほど……まだ諦めてないって訳ね!?)

 目の前に広がるナイフの大群を見て、ユウキはそんなことを考えるのと同時に、鎖でナイフを処理しにかかる。

 そして、大規模な爆発が彼女を襲った。


(成功した!?)

 思いがけない風圧によって転がったトキネは爆発した方向を見て、そう思った。

 トキネの特殊能力をうまく利用した奇襲攻撃。これが彼女の奥の手だった。

 彼女の特殊能力【亜空間収納(ポーチ)】は、彼女の腰に巻かれた道具の中に手のひらサイズの物をいくらでも入れておける能力だった。

 元々小型のナイフでは破壊神の懐刀と呼ばれている彼女には勝てないとわかっていた。それでも執拗にその攻撃を選択したのは単なる悪あがきではなく、今の攻撃を真っ正面から受けてもらう為である。

 数本のナイフに取り付けられた小型核爆弾。これが彼女の奥の手だった。普通の爆弾やプラスチック爆弾の威力じゃ覚醒した眷族には傷一つつかないが、これならば、大ダメージ間違いなしと時空神のお墨付きなのだ。

 思っていた以上の威力に体が風圧で吹っ飛ばされてしまったが、これを至近距離から受けてはひとたまりもないだろう。例え気を失ってなかろうと、受けたダメージがなくなった訳ではない。他の用意しておいた策で畳み掛ければきっと勝てる。

 しかし……その希望はあっさりと砕け散った。

 彼女は知らなかった。

 ユウキの異様な頑強さを。


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