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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
49章:実習生、最高峰の戦いを観戦する
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 彼女は懐中時計のスイッチを押すことで、対象の時間を止めることが可能となる【停止(ストップ)】をいつでも発動できる。全体ではなく、対象にのみ影響するのだが、欠点として、その対象に危害を加えることが出来なくなる。もし、危害を加えるような攻撃をした場合、その攻撃は対象の周囲で対象同様時間が止まってしまうらしい。

 そして、もう一つの特殊能力【亜空間収納(ポーチ)】に関しては、ミハエラさんにも能力の詳細がわからなかったらしい。色んな物が入るポーチで、その実態が神器の効果なのか彼女の特殊能力なのかも不明。本人は特殊能力だと言っていたから、おそらく特殊能力だろうという話だった。

 だが、俺の予想ではおそらく彼女じゃ、あのユウキと呼ばれる鬼人には勝てないと思う。

 なぜなら、彼女の持つ特殊能力は、俺が今まで見た中でかなり凶悪な能力だと思えたからだ。


 ◆ ◆ ◆


「そんなとろい攻撃じゃ当たんないよ!!」

 ユウキの放つパンチは目の前に突如として現れるナイフをことごとく弾き飛ばしていく。それどころか、彼女が発生させる拳圧によって、全方位のナイフが彼女に届かず、地面へと落ちていく。

 今までの戦いでは、勝負が一瞬で終わる為、ここまで連続して発動させたのはトキネにとっても初めての行為だった。時間停止を行った状況で動き回るには、かなりの体力が必要だ。

 跳んでナイフを正確に投げる。だが、それらは今まで行った自分の努力が無駄だったかのように、一瞬で粉砕されていく。

 わかっていたはずだった。

 通用しない可能性が高いことも、相手の強さも。

 だが、予想よりも彼女は強く、圧倒的だった。


「……っ!!?」

 一瞬の隙をつかれた。

 目の前でナイフが粉々に砕かれ、時間停止よりも先にナイフを用意しようとポーチに手を伸ばしてしまった。その一瞬の判断ミスを、相手は見逃さなかった。

 彼女の左手首に着けられた枷から伸びた鎖が、鞭のように動き、腹部に激痛が走る。

 その速さに、時間停止も間に合わなかった。

 数メートル吹っ飛ばされ、立とうと思っても腹を押さえてうずくまることしか出来なかった。

 早く立たねば追い討ちに対応出来ないというのに、動けなかった。

 だが、近付いてくる足音は、彼女のすぐ前で止まった。


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