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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
48章:実習生、思いを抱く少女と戦う
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 優真の技、白百合の舞いは自分の力を一点に集中して放つ打撃技だが、もう一つの特徴があった。

 それは、速く動き、緩急をつけて相手に残像を見せる効果だった。特殊能力【ブースト】でスピードを上げた今の優真なら、残像を本物のように錯覚させることも出来た。

 そのうえ、優真は華天撫子の舞いも併用していた。

 これにより、優真の攻撃力が異常な程膨れ上がっていく。

 そして、これらが最大限の力を発揮している理由は優真の握る神器にあった。

 優真の神器紅華は、鉄の女神が優真の為だけに造らせた代物だ。親友でもある優真の主神から特殊能力の効果を聞き、彼がうまく使えるようにした。

 その効果は『流動』、優真のブーストではね上がった力を上手く流し、更に威力を高め、無駄なエネルギーを使わせないものだ。

 だからこそ、優真は華天撫子の舞いを使用したまま、動き回ることが出来ていた。


「……ぶっつけ本番でやってみたんだが……予想以上の成果だな……」

 優真はそう言うと、顔に笑みを刻んだ。自分の全てが籠った一撃、少しでもミスれば、お互いにただでは済まない。それがわかっているのに、笑みが勝手にこぼれてしまう。

 失敗する気がしない。だから、自信を持って、動いていた足を止めて力を再び足に力を込める。

 その瞬間、残像達が全て叩き潰される。今までであれば、再び残念をつくる為に動いていた。だが、もうその必要はない。

 この一撃に全てを込めて、終わらせる。


 優真は彼女に向かって跳躍した。

 残像に気をとられて動けないでいたメイデンは、それに反応が遅れた。しかし、彼女も無警戒だった訳じゃない。

 残像を叩き潰した茨以外をまとめて、優真の前に持っていき防御の構えをとる。

 しかし、優真はそれを待ってましたと言わんばかりの顔を見せる。

「十華剣式、弐の型、白百合の舞い!!!」

 その声がスタジアム中に響いた瞬間、纏まりあった銀色の茨が優真の横薙ぎによって、轟音を響かせながら結界に叩きつけられた。

 その威力にメイデンの意識が強く揺さぶられ、彼女は思ったように体が動かせなくなった。


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