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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
48章:実習生、思いを抱く少女と戦う
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48-23


「十華剣式、陸の型、牡丹の舞い改!!」

 優真はメイデンの周りを回り始める。その速さがどんどん加速され、メイデンが優真の姿を視界で捉えられなくなった瞬間、神速の一撃が彼女を襲う。

 しかし、反応できない速さだったというのに、メイデンは自分の前で剣を交差し、優真の剣を受けてみせた。

 背後への攻撃や、顔への攻撃は嫌いだと言っていた彼なら、真っ正面からくるとメイデンは信じていた。だからこそ、反応は出来ずとも対応は出来た。

 しかし、その威力はメイデンの思っていた以上の威力だった。

 両手に持っていた剣は砕け散り、意識が一瞬飛んでしまった。


 結界に背中を叩きつけられて意識が戻ったメイデンは、地面に倒れる。しかし、すぐに立ち上がる。砕けたエクスキューショナーズソードの代わりに新しいエクスキューショナーズソードを【処刑道具召喚(おもちゃ箱)】の効果で2本取り出し、両手に握る。

 その様子を、優真は離れた場所から見ていた。


 あの状況で追い討ちすれば、自分を倒すことは容易だった筈だ。

 しかし、それを彼はしなかった。

 自分をなめているのではない。むしろ、好機を待っていると考えた方がいい。

 彼の特殊能力【勇気】が、カウンター技であることは以前戦った後に聞かされた。

 本人や幼子が襲われた瞬間、全ての時間が止まって、攻撃などの選択を強いられる特殊能力。ただし、逃げる行動は許されない。

 彼を相手するうえで、絶対に無視できない能力。

 おそらく、反撃されるくらいなら誘い受けして、確実に返り討ちした方がいいという戦法なのだと思う。

 ここで焦って攻撃すれば、自分の敗北は明らか。慎重に行く必要があった。


 そんなことを考えているメイデンに、優真が声をかけた。

「俺さ、メイデンさんにどうしても訊きたいことがあるんだけど……訊いてもいいかな?」

「……なに?」

 その質問が何か気になったメイデンは、彼にそう答えた。

 そして、優真は彼女に訊いた。

「メイデンさんはなんで処刑人なんて皆に嫌われるような仕事をしてんの?」

 その質問で、どう攻撃すればいいのかという考えは、霧散した。


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