表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
48章:実習生、思いを抱く少女と戦う
702/970

48-11


 立ち上がっていたファルナは膝を折り、体勢が崩れてしまう。訳のわからない攻撃を受け、自分の右の前足から血が出てくる。

 だが、この程度の傷であれば、神獣化したファルナならすぐに治る。そして、動くことにも支障はない。

 ファルナは再び攻撃を始めようとするが、カリュアドスの指を鳴らそうとするモーションを見て、急いで跳躍する。

「ふむ、その程度の判断力は残しておりましたか……しかし、甘い」

 そう言ったカリュアドスが指を鳴らした直後に、背中を数発撃ち抜かれたような感覚がファルナを襲う。硬い毛を傷つけず、自分の体のみを的確に撃ち抜いた攻撃に、ファルナは訳がわからなくなる。

 急いで距離を取るも、ファルナはカリュアドスの攻撃から逃れられない。

 再び指を鳴らす音と共に、ファルナの体から血が舞っていく。


 どういう攻撃なのかわからない。相手は、最初の場所からまったく動いていないというのに、自分は血だらけになっている。

 怖い。

 またあの狭く人の泣く声しか聞こえない場所に閉じ込められ、大好きな人達と離ればなれになる。

 もうあそこには行きたくない。でも、目の前の男を倒さないと、自分の意思関係なく連れていかれる。


 体を震わせ、自分を見て怯えた表情になる猛虎の姿を見て、カリュアドスは申し訳ない気持ちになった。

 彼女とまた相対することになったのはまったくの偶然。まさに神の悪戯といったところだろう。しかし、それでも勝負は勝負。怯えた表情を見せる彼女とこれ以上戦ったところで、何の利もない。だから、さっさと終わらせることにした。

 彼は『無敗』という称号を掲げているが、最強という訳ではない。彼は自分が負ける試合を行わない。どんなに危機的な状況でも、冷静に彼我の実力を見定め、相手に勝つ。

 だが、弱い訳ではない。

 なにせ彼は、元ファミルアーテ4位の実力者なのだから。


 カリュアドスが懐から30センチ程度の棒を取り出した。すると、その棒が光りだし、棒から鎖に繋れている鋭い棘のついた鉄球が出てきた。

「神器メイテオール」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ