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 なんで?

 私の全部を見た癖に、私の性格悪いところだっていっぱい見た筈なのに……なんで私にそんなこと言ってくれるの?

 そんなこと言われたら……そんなこと言われたらっ……離れたくなくなっちゃうじゃない!!


「……見たんでしょ?」

「ああ」

 万里華の涙声でした質問に優真ははっきりと答えた。それを聞いて、万里華は歯を食い縛る。

「私は……女神様の言った通り……子どもは嫌い! デリカシー無いし! うるさいし! すぐ泣くし! 優真が保育士になりたいって言わなかったら、そんな道は考えもしなかった! 子どもが嫌いな私に許されたのは……せいぜい天使まで! そんな私じゃ……優真と結婚する資格なんて……」

「じゃあ万里華はシェスカが嫌いなのか?」

 その言葉に、万里華は続きの言葉を発することが出来なくなってしまった。

「ファルナは? 14歳のユリスティナはあっちだと中二くらいだ。お前はユリスティナが嫌いか?」

「…………ううん……」

「ドルチェは? イアロにスーも……一緒にいた時間は少ないが、今まで万里華は嫌々皆と遊んでいたのか?」

「……違う……皆は……シェスカちゃんも……ユリスティナちゃんも……ファルナちゃんもドルチェちゃんもイアロちゃんもスーチェちゃんも……皆可愛いし、大好き……」

「だったら万里華の居場所はここだ。もう保育士を無理に目指す必要はない。俺と一緒に居たいのなら好きなだけ居ろ。俺は万里華が心の底から楽しそうな笑顔を見せて皆と遊んでいる姿を見るのが好きなんだ。だから、勝手に消えるなんて許さない」

 そう言うと、優真は万里華の体を抱き寄せる。

 今度は彼女の手が優真を拒むことはない。

 せっかくせき止めた涙が勝手にポロポロと頬を伝っていくのを実感しながら、万里華は大人であることを忘れ、大声で泣きながら優真に何度も謝り続けた。


 今の万里華に、消えたいという考えは存在しない。

 全てを知り、それでも万里華を受け入れた優真にだけ、タッチパネルに表示された文字が見えた。

『マリちゃんの眷族化に成功。これでマリちゃんが君の元を離れることは未来永劫あり得ないよ。それじゃあ私の大切な天使を頼んだよ』

 その文を見て、優真は心の底から一つの言葉を心の中で彼女に伝えた。

「ありがとう」と。


 これにてこの章は終了です。


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