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46-13


 艶やかなドレスを翻し、イルジョネアは華麗な足さばきで自分に襲い掛かる蔓を避けていく。

 徐々にハナとの距離を離していくが、イルジョネアは余裕の表情だ。

 発生させた煙が辺りを隠していき、フィールド全体が白く包まれる。

 だが、ハナはその煙に毒性が無いことを知っている。その為、躊躇無くイルジョネアのいた所目掛けて地面に出現させた蔓を伸ばす。

 しかし、不意にハナの目の前が赤く染まる。

 それを見たハナは一切の驚きを見せずに、横に避ける。

 直後に炎がハナの横を通りすぎ、彼女が出現させた蔓を焼き尽くしていく。

 しかし、イルジョネアからの攻撃はそれで終わらない。

 次々に飛んでくる炎の玉に、ハナはいつの間にか防戦気味になっていた。だが、それで終わりではなかった。

 魔法の放たれた箇所目掛けてハナは幾度か蔓を伸ばそうと試みていた。お互いに視界が遮られていることを利用し、反撃を試みる。しかし、いきなり全体攻撃の雷撃魔法が炸裂したことで、ハナはやむなくフィールドの地面で簡易的な盾を造りだし防御するしかなかった。


 ◆ ◆ ◆


 たった一人で二つの魔法を使用してみせたイルジョネア。そんな彼女の戦い方は優真達を驚かせた。

「……あれってあり得るのか?」

 驚いている様子の優真が隣で椅子に座る女神にそう聞いた。


 本来であれば、使用できる魔法は信仰する神によって決まる。

 例えば、大地の女神を信仰する者であれば、植物の種子を生成する魔法や大地を耕す魔法しか使えない。

 優真が属する子どもを司る女神の魔法も、子どもに言うことを聞かせやすくするものと、子どもに好かれやすくする魔法の二つしかない。

 例え眷族であろうとそれは変わらない。威力の向上はあるだろうが、神に祝詞を告げねばならない魔法は主神を変えない限り、固定になってしまうのだ。


「優真君が驚くのも無理ないが、あの戦法を可能にしているのはイルジョネアの特殊能力【幻鏡(ミラージュ)】があってこそだろうね。説明よろしく、ミハエラ」

「かしこまりました」

 女神の使命に恭しくお辞儀をしてそう答えた天使ミハエラは、優真達の方に向かって再びお辞儀した。

「不肖ミハエラ、女神様の命により皆様に説明させていただきます。まず第一に、イルジョネア様の特殊能力【幻鏡(ミラージュ)】は他人の特殊能力すらも使うことを可能とする恐ろしい特殊能力でございます」


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