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「このギルドでの主な目的は二つ、一つ目は依頼の受注、また達成報告を行うこと、二つ目は素材を売ったり、必需品を買ったりするためです。また、地下には酒場がありますので、利用する際は、できるだけ問題は起こさないようにしてくださいね」
優真は受付嬢のお姉さんの言葉に頷いて了承の意を示した。
「では次に依頼の説明をさせていただきます。冒険者にはF級からA級までありまして、それぞれ決まった依頼のみしかできません。あそこの掲示板には、それぞれ受けられる依頼が貼ってあります。例えばアマミヤさんはF級からのスタートなので、E級とF級の依頼を受けることができます。また、一つ下までの依頼なら、受けることは可能ですが、達成しても依頼の達成に対する報酬が半分になってしまうので受けるメリットはあまりありません。強いて言うなら安全なくらいです。ここまででなにか質問はありますか?」
「一ついいですか?」
「はい、なんでしょう?」
「S級の冒険者がいるって話を聞いたのですが、先程受けた説明にはA級までしかなれないと言ってるように聞こえたのですが」
「S級ですか? そもそもギルドではS級になれません」
「えっ、そうなの!?」
「はい。S級は、国の王に認められた時になれるトップクラスの実力者です。A級の依頼までなら報酬は半分になりません。他に質問はございますか?」
「……いえ、大丈夫です。ありがとうございました」
「それでは、アマミヤさんに神の祝福があらんことを」
そんなこんなでこの後、ハルマハラさんに依頼を強制的に受けさせられて、その後、俺たちは村へと戻った。
◆ ◆ ◆
「なるほど。それで今日はこっちに来なかったんですね」
俺の座る食卓の前に、お手製の料理を持ってきてくれたシルヴィが、自分の席に座りながらそう言ってきた。
町から帰ってきた俺は、現在シルヴィの家にお呼ばれしている。
彼女との誤解が解けた五ヶ月前のあの日から、何の進展もなかった訳ではない。
たまにではあるが、こうして夕食にお呼ばれする機会が出来たのである。ちなみに、婆さんとシェスカも当然一緒である。
…………そういえば、日本にいた頃、友達の家に最後行ったのって……小学三年生の時だったっけ?
友達と晩御飯食べに行ったことも……あれ? …………もしかして俺って、超寂しいやつだったんじゃ……。




