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今後100年の未来を決める方針、その決定権をかけたこの催しは毎回創造神様が優勝する。
それは、キュロスと呼ばれる眷族筆頭を含めた3人の眷族が勝率9割の化け物集団だからだ。特にキュロスという男はここにいるパルシアスでさえ勝てた試しが無いんだとか。
だからこそ、名の無かったこの催しを誰かが『余興』だと呼び始めた。
だが、他の神々もただの遊びで行っている訳ではない。『ファミルアーテ』という結果を残した10人の眷族筆頭達が得られる称号を、自分の眷族筆頭が得られれば、どんなに下級な神であっても発言権を有することができる。
それを狙う為に全ての神が力を注ぐ為、この『神々の余興』は盛り上がる。
『さぁさぁさぁ、盛り上がっているかぁああ!』
物思いにふけっていると、一際大きい声が耳に届く。その大声に視線を向けてみれば空中に一人の天使が翼をはばたかせながら立っていた。
『これから神々の余興が始まる……参加者連中は精々神々を楽しませる傀儡になりやがれい!!』
マイクと思われる道具を手に持ち、上品とはとても思えないような発言をし続けている天使。ここにいる者達は神か眷族ばかりなので全員が同等以上にも関わらず、言葉遣いに敬意の欠片も感じない。
(……なんだあいつ?)
そんな素直な感想を抱いたのは俺だけのようで、周りの観客達は盛り上がっている。そんな俺にパルシアスがその答えを示してくれた。
「彼女は精神支配を得意とする天使、クレエラだよ。普段は創造神様の下で働いているんだけど、『神々の余興』では主に盛り上げとか紹介の担当だね。今回は僕の力で彼女からの精神干渉を絶っているけど、これからは優真がやることをオススメするよ」
「精神干渉?」
パルシアスの不穏な言葉を証明するかのように、優真達の周りにいる眷族達が狂ったかのように天使の言葉で盛り上がっている。かかっていない俺達はドン引きするだけだが、シェスカとドルチェはかかっていないのにノリノリだった。
「そう。神達でさえ、彼女の前では盛り上げるだけの駒になる。当然、効果があるのは下級神のみなんだけどね。まぁ、優真や子どもを司る女神様は大丈夫だろうけど、他の皆は多分引っ掛かるだろうし……ユウマの特殊能力がどこで発動するかわかんない僕にとってはまた時間を正常に戻す方が面倒になったからこっちに来た訳なのさ……」
パルシアスの説明に聞き入っていると、周りの者達がより一層盛り上がり始めた。
そして、その理由は明白だった。
先鋒戦に出る二人の眷族達がスタジアムに現れたからだ。




