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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
42章:実習生、予選でその力を振るう
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42-3


 天使と別れた優真は参加者が数多くいる控え室にあるベンチで、ヘッドホンを着けながら音楽を聞いていた。しかし、落ち着く為の音楽は、鉄の女神(製作者)のせいで、全部どこかで聞いたことのあるようなアニソンしかない。

 それでも、音楽を聞いていると変なことが気にならなくなってくるため、優真はそれを着け続けていた。


1月3日(明日)からの本戦に勝ち残るには、この大勢いる眷族達を倒し、最後まで残った5人の中に入らなくてはならないんだよな……負ける気は毛頭無いが、それでも油断は禁物だな……)

 先程、去り際に天使達から渡された腕輪を見ながら、優真は気を引き締めていた。

 その腕輪は、持ち主が負ったダメージを全て引き受けてくれる神器だった。疲労や状態異常といった類いは引き受けてもらえる訳ではないが、痛みを感じるだけで血が一切出ないのは優真としてもありがたかった。

 これで、相手の生死を気にせず本気で戦える。

 思えば、今の自分の剣技がどこまで通用するのか知りたかったところだ。本戦前にどうしても確かめておきたかった優真にとっては好都合だった。

 致死量のダメージを受ければ、転送システムで勝手に場外へと飛んでくれるし、倒した人数、時間、残り人数とあらゆる機能まで備え付けている。

 たった一人で参加している優真には不要だが、フィールド上の仲間となら通信することも可能だ。


(……それにしても……予想はしていたが……やっぱり人外を眷族にしている神もいるんだな……)

 腕輪から目を離した優真は人の姿とは程遠い見た目の眷族達を見て、そんなことを思った。

 触手を持ったうねうねした生物や、酷い悪臭を撒き散らして、周りと何かを言い争っている液状生物もいる。

 目の前を通ったせいで酷い悪臭が鼻を刺激し、涙目になりながら鼻をつまんでいる優真は、そんな奇怪な連中の中に一つの宝石を見つけた。


 その宝石は眷族達が闊歩する中で、踏み潰されないように、逃げ惑っていた。

 コロポックル。以前、それとよく似た生物が北の地方に実在するとシルヴィの祖母(婆さん)から聞いていた。『蕗の葉の下の人(コロポックル)』の名の通り、手に蕗の葉を持ち、遠目でわかる範囲だと、確かに茎よりも背が低いように見えた。


 そんな愛くるしい見た目の少女が困っている現場を見て、いてもたってもいられなくなった優真は、ヘッドホンを外してそのコロポックル(女の子)の元に向かった。

 

 優真が以前着けていたヘッドホンは万里華が没収した為、今回着けているのは鉄の女神様からいただいた新しいやつです。

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