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8-2

 西部劇のバーでよく見る木の扉を開けると、そこには、色んな人がいた。ぼろぼろの装備の人間や、金にものを言わせたような金ぴか装備で傷一つついてないやつ、歴戦の猛者を彷彿とさせるかのような立ち居振舞いをする男。

 そんな多種多様な人がいるこここそが冒険者ギルドである。


 冒険者ギルドでの冒険者登録。

 そうだよ。これこそ異世界ものの定番だよな!

 転生してすぐモンスターに襲われたり、3日間の飢餓生活なんて異世界に来てまでやる必要はないもんな!


「では私は依頼ボードを見ておりますので終わり次第声をかけてくださいな」

 ハルマハラさんはそう言うと、壁に立て掛けてあるボードの方へと向かった。

 …………ていうか、あれってE級の依頼じゃないの?

 色分けされたボードの上にでかでかとEの文字があるし。

 ……なんで、A級のハルマハラさんがE級に?

 なんだかすごく嫌な予感がしたので、見なかったことにした。


 さて、いろいろと見て回ってみたいが、とりあえず冒険者になってからでいいだろう。

 ……多分あそこは、強そうな人たちが並んでるし、クエスト受付かな? ……あそこは素材を見せたり、金の受け渡しをしているし、買い取り受付かなんかだと思う。あそこにいるのは、商人っぽい服装だし、小瓶に入った液体とか、いろいろと並んでるし、冒険者の必需品を販売している場所かな?

 ……新規登録者受付って何処だ?

 それらしいところが見当たらん。


「おう坊主、そんなところに突っ立ってどうしたんだい?」

 新規登録者受付を探していると、後ろから声をかけられた。

 振り返ってみれば、そこには腰に剣を携えた男がいた。筋肉を見せびらかしたいのか、それとも暑いからなのか、露出度の高い服装をしている……というか、上半身裸って大丈夫なのか?

「……いえね、冒険者になろうと思って来たんですが、新規登録者受付をするところって何処なのかと探しておりまして」

「なんだ? そんなひょろっちい見た目で冒険者やりてぇのか? まぁ、そんなやつらのために草むしりの仕事や下水道掃除の仕事もあるんだがな」

 うるさい笑い声で、笑い始めた男にあわせて、周りにいる冒険者も笑い始めた。

 うわ汚ねぇ! つば飛ばしてきやがったこいつ。


 ……まぁ、こんなやつらがいることくらい、こちらだって予習済みですよ。

 なんたって冒険者ギルドは実力主義。

 ランク、実績、実力が全て!

 ギルドに今まで貢献してきた者が、入ってきたばかりの新人をいびるなんて、それこそ先輩冒険者の特権だ。

 見返したきゃ強くなればいい。

 単純明快、それだけのことだ。


「……それで? 新規登録の受付って何処でやってるんですか?」

 俺が笑顔を浮かべて聞くと笑っている男はつまらなさそうな顔になった。

「……あんだよ、張り合いねぇなぁ。そこだよ」

 そう言って指差した先はいぶかしむような視線をこちらに向ける受付嬢がいる場所だった。

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