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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
41章:実習生、神々の挨拶に振り回される
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41-8


 恐る恐る振り返った俺の視界に映ったのは銀髪の美少女などでは無かった。

 銀色の髪をオールバックにした壮年の男性。背はスラッと高く、それでいて姿勢が綺麗なその男は日本の執事服を着ていた。

「お初にお目にかかります。(わたくし)鉄の女神様の眷族に名を連ねさせていただいております、カリュアドスと申す者です。以後お見知りおきを」

 恭しくお辞儀しながら自己紹介してくる壮年の男性に、俺はどこかで見たことあるような気がした。しかし、どこで見たのかが思い出せ……な……い?

「あぁああああ!!? あんたなんでこんなとこに居やがる!!」

 俺がその男を思い出したことで出した大声はこの場にいる全員を驚かせるには充分な声量だった。それを証明するかのように、あの心が読める女神様でさえ、こちらに驚いた顔を向けている。

「……優真君は彼を知っているのかい?」

「知ってるも何も……こいつ……この人ってベラキファスの屋敷で執事やってた人ですよね?」

「あぁ……道理で似ていると思いましたが、やはりあの時の……」

 思いがけない再会を果たし、お互いに相手のことを思い出したが、それでも何故彼がここにいるのかは理解出来なかった。


 この男と初めて会ったのは、シルヴィが拐われたと知ったあの日だった。屋敷の前まで着いた俺だったが、シェスカが指し示す場所は下という内容だけ……乗り込んで地下への道を探すしかないと決めたそんな時だった。

 屋敷の扉を全力で殴ろうとした俺に制止の声がかけられた。

 その時声をかけてきたのが、このカリュアドスという執事の男だった。

 この人は、俺がシルヴィを助けに来たと告げた瞬間、何かを悩んだ様子を見せた。だが、すぐに近くの芝生を指し示し、そこを壊せばシルヴィのいる場所に行けると教えてくれた。

 だから、シルヴィを助ける際に、力を貸してくれたと言っても過言ではない存在だった。


「あの時は怪しい動きを見せるガイベラスの動向を探るべく、彼の右腕だった男の下で働いていたのですが……獣人の乗る船を襲撃する計画を立てていたり、少女を誘拐してきたりと色々悪事を働いていたので、当時世間を騒がせていた子ども達だけで結成されていた集団に頼み、襲撃するように誘導したのです。……そんな時に優真殿が来られたので少し悩みましたが、どうせ無理だろうという軽い気持ちで天井を壊すよう言ったのですが……まさか本当に壊すとは……いやはや、あの時はさすがに焦りましたよ」


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