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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
41章:実習生、神々の挨拶に振り回される
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 女神様と共にこうして炬燵に入りながらラノベを読むこと2時間が経過……未だに挨拶をしに来た神はいない。どうやら彼女の言う通り、挨拶に来る神はいないみたいだ。

 それなら、俺の存在は果たして必要だったのかと1時間くらい前に思っていたが、彼女の泣きそうな顔を見た瞬間、その考えは捨てた。

 問題を起こした神と認定されていると自分で言っていたが、俺がこっちに来てからのトラブルしかなく、その全てにおいて、俺達は被害者のようなものだ。

 ……だが、事情を知らない神からすれば、俺達と他の神が争ったという話になるのだろうな。本当に腹立たしいものだ。

 内情を知っている時空神様と大地の女神様には既に挨拶に行っている。その2神がこっちに来ることはない。

 鉄の女神様は……おそらく来ないだろうな。


 優真がメイデンと別れた際のことを思い出していると、タッチパネルが通知音を鳴らした。

 それに食いついたのは優真ではなく女神の方だった。

『女神様、挨拶に来られた神を通しますか?』

「鉄ちゃんか!」

 嬉しそうな声でそう聞く女神の姿は微笑ましいものだったが、連絡を寄越したミハエラが否定の言葉を返すと、急にしょげたような表情を見せ始めた。

「せっかく来てくれたんだし、そんな顔をするのは失礼なんじゃないのか?」

「そ……それもそうだね……ミハエラ、こっちに通してくれ」

『かしこまりました』

 ミハエラがそう言った直後、タッチパネルに表示されていた文字が消え、ミハエラの声も聞こえなくなってしまった。

 だが、ここで優真は疑問を抱いた。

(そういやミハエラさん、相手が誰か言ってなかったな……普通そういうのは言うんじゃないのか?)

「そういや聞いてないね。誰が来たんだろ?」

「……前々から言ってるけど、勝手に心読むなってば……」

「そう言われて私が止めるとでも?」

「……そうだね。あんたはそんなにものわかりのいい女神様じゃなかったね。ごめんね、無理言って」

「あんだと~」

 そんなやり取りを優真と女神が行っていると、部屋の扉がノックされた。

 そのノックが客の来訪であることに気付いた優真は顔を真っ青にした。なぜなら、そこかしこに主神のだらけた形跡があり、とても客様を中に入れられる状態ではないからだ。

(やっべ、早く片付けないと……)

「入っていいよ~」

 相手が誰か確認しろよ。とか、まだ部屋が片付いてないんだから少し待ってもらえよ。とか、諸々言いたいことはあったが、時既に遅し。唯一の入口が子どもを司る女神の合図で開かれていく。

 そして、そこに立っていた女神を優真達は視界におさめた。

 それは白髪(はくはつ)の美人だった。


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